「転職活動に有利なTOEICスコア」とは何点以上?(※写真はイメージです)
「転職活動に有利なTOEICスコア」とは何点以上?(※写真はイメージです)

 転職ってやはり英語力があるほうがうまくいく……?「AERA English 2018 Autumn & Winter」(朝日新聞出版)では、社会人に求められる英語力を徹底リサーチ。大手転職サービス「DODA」編集長に、転職と英語力について聞いた。

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 就職活動の際、必ず提出する履歴書。TOEICを受験した経験がある人は「資格」の欄にスコアを書けるわけだが、果たして「転職活動に有利なTOEICスコア」とは何点以上を指すのだろうか。

「DODA」編集長、大浦征也さんは、「ここ数年は就職活動に臨む大学生のTOEICスコアが上昇傾向にあり、700点以上の学生も珍しくありません。『高い英語力』を持つ人材と評価してもらいたいならば、800点台後半はほしいところ」と語る。

「今の時代、TOEICスコアだけで英語力を判断できないことは誰もが知っています。ただ、850点以上のスコアが取れる人ならば、知識だけでなく実践面でも一定の力はあるのだろうと推測がつくわけです」

 とは言え、高いスコアがなければ転職活動に役立たないかというと、決してそうではない。そもそもTOEICのハイスコアが採用に直結するのは、「英語力が業務上求められるスキルの大半という仕事など、限られたケース」と大浦さんは言う。

「一般的には履歴書に書くメリットがある目安は600点。ある程度計画的に勉強をしなければ取れないスコアですから。地道な努力を重ねられる人、情報を体系的に整理する力がある人という印象を与えられます」

 600点以下のスコアは、履歴書に記載することがかえってマイナス評価につながるリスクもあるため、避けるのが無難だ。

「ただし、英語力が求められない仕事に応募する場合には、600点未満のスコアを記載するのもありです。そういった仕事でもいずれ英語力が必要になる可能性はありますし、TOEICの勉強をしていること自体が自己研さんとして肯定的に受け取られることもある。スポーツでも英語でも、何かに一生懸命取り組んでいる姿勢は、好印象につながります」

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苦手意識を克服するために…