■遠くを見る冷たい目はむしろ悪役向きか

 一方、佐藤はプライベートでは3児の父でもある。休日は子どもたちと一緒にパンケーキを焼いたり、遊びに出かけたり、子煩悩ぶりを発揮しているそうだが、叱るときは「怖い担当」で、ときには「稲妻アプローチ」で子供たちに接することもあるという(日本テレビ系「メレンゲの気持ち」6月23日放送)。

 役者では「いい人」、プライベートでは家族思いの良きパパの佐藤だが、芸能リポーターの川内天子氏は今後の佐藤について、こう期待を寄せる。

「佐藤といえば、あの眩しい笑顔が何よりも印象的ですよね。過去にインタビューしたことがありましたが、とにかく元気よく礼儀正しい、非常に真面目な俳優という印象を受けました。ただ、佐藤もこれから40代を迎えるにあたり、いつまでも視聴者が『佐藤=いい人』という印象を持ち続けてしまうと、役者にとってはリスクです。すでにいろんな役をこなすようになっていますが、後世のドラマ史に残るような印象的な悪役で、ぜひ成功してほしいですね。遠くを見るような冷たい目を佐藤はたまにすることがあるんですが、いい悪役や冷酷で残忍な役どころを演じられると思いますよ」

 10月からは舞台「いまを生きる」で型破りな教師のジョン・キーティング役にも挑戦する予定で、映画でロビン・ウィリアムスが演じた役をどう表現するのか、彼の新たな一面が開拓されるのかに注目が集まる。40代を目前にますます俳優としての深みを増している佐藤。味のある個性派俳優として、今後の活躍に期待したいところだ。(ライター・高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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