銀行全体に話を戻すと、平均給与の上位10行のうち、前年より平均年間給与が伸びたのは、あおぞら銀行、新生銀行の2行にとどまり、上位銀行の給与伸び悩みが目立った。国内銀行の平均給与は2年連続で前年を下回り、70行(構成比76.9%)が前年を割り込んだ。

 日本銀行のマイナス金利で金融機関の収益が悪化し、さらに残業などの時間外手当の削減が拍車をかけ、従業員の年間給与は伸び悩んでいる。

 また、前年より大手行と地方銀行、第二地銀の給与格差も拡大している。昨年に比べ、大手行と地方銀行との給与格差は7万円、第二地銀が1万3000円、それぞれ格差が拡大した(グラフ参照)。

 91行の平均年齢は38.9歳で、前年より0.01歳低下した。

 業態別では、地方銀行が38.8歳(前年比0.03歳低下)で前年を下回ったが、第二地銀は39.0歳(同0.02歳上昇)とわずかに上昇。大手行は39.1歳(同±0.0歳)と、前年と同じだった。

 大手行4行、地方銀行23行、第二地銀15行で平均年齢が上昇した。大手行は新卒者だけでなく、専門職の中途採用に積極的で、平均年齢の引き下げには至っていない。

 91行の従業員数合計は24万5305人で、前年より438人減少。13年3月期以来、5年ぶりに前年を下回った。大手行が前年比58人増(前年比0.05%増)に対し、地方銀行は同387人減(同0.3%減)、第二地銀も同109人減(同0.3%減)と、大手行のみが増加した。業態別では、従業員数の増加は大手行3行、地方銀行24行、第二地銀15行の合計42行。前年(49行)より7行減少した。

(AERA dot.編集部・西岡千史、福井しほ)

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福井しほ

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大阪生まれ、大阪育ち。

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