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東海道新幹線で起きた殺傷事件。現行犯逮捕された小島一朗容疑者(22)の家庭環境や生い立ちについて、お笑い芸人・カンニング竹山は「肝心なことが報道されていない」と考える。その持論とは。
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新幹線の事件を受けて、僕がテレビで「死ぬなら1人で死ね」と言ったら賛否があって、ツイッターでも病気の子とかからもメッセージが来ましたけど、僕はいまもそう思っています。生きたくても生きられない人がいるのに、「誰でも良かった」と事件を起こす子がここ数十年で何人も出てきている。秋葉原通り魔事件も(2008年)、バスジャック事件(2000年)も、紐解いてみると、親との関係が良くなかったり、祖父母に育てられていたり、愛情が欲しかったというパターンが多かったじゃないですか。親が両方いようが、片親だろうが、親がいなかろうが関係なくて、道徳心とか、人との付き合い方とか、人への優しさとかちゃんと教えられていたのか。そういう肝心なことが検証されていないと思うんですよね。
マスコミは家庭の事情とか病気とか複雑なことがあると掘り下げずに終わってしまうけど、個人的にはそれは違うと思う。確かにプライバシーとか人権の問題はあるけど、こういう人間が起こす事件を何回繰り返せばいいんだろう。加害者が精神の病気や心身の障害を抱えていることもあるけど、その状況にある人みなが事件を起こすわけじゃない。そこに至るまでに何があったのか、家庭環境とか幼いころの周りの大人の関わり方とかをちゃんと報道するべきだし、それが視聴者への注意喚起にもなると思うんですよ。幼いころにそういう兆候が見えたときに身内を含め、周りの大人はどう対処していくのかとか、そこがちゃんと知りたいところですよね。
もちろん、やったことは本人が悪いし、親のせいでもなんでもないですよ。報道する側も、だからダメだったと言い切る必要はないし、事実を伝えて「みなさんはどう考えますか」というスタンスでいいと思うんです。