結愛ちゃん虐待死「ひどい親」と批判しても事件は減らない 「評価」に追い詰められる親たち (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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結愛ちゃん虐待死「ひどい親」と批判しても事件は減らない 「評価」に追い詰められる親たち

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金城珠代dot.#出産と子育て

船戸容疑者と結愛ちゃんが暮らしていた部屋のベランダには、カラフルな洗濯ばさみが並んでいた=東京都目黒区東が丘(撮影/澤田晃宏)

船戸容疑者と結愛ちゃんが暮らしていた部屋のベランダには、カラフルな洗濯ばさみが並んでいた=東京都目黒区東が丘(撮影/澤田晃宏)

8日に送検された船戸雄大容疑者(C)朝日新聞社

8日に送検された船戸雄大容疑者(C)朝日新聞社

「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」。東京都目黒区の船戸結愛ちゃん(5)が3月に死亡した事件で、警視庁は6日、父親の船戸雄大容疑者(33)を保護責任者遺棄致死の疑いで再逮捕し、母親の優里容疑者(25)も同容疑で逮捕した。ノートにつづられたという少女の反省文、1食しか口にできない日もあり、朝4時ごろ起きて平仮名を書く練習していたなど、笑顔の少女の写真とともに報道される内容はあまりに辛い。テレビ番組ではアナウンサーやコメンテーターが涙を流すシーンも放送され、ネット上では「子どもを産む資格がない」「人間じゃない」と容疑者となった親への怒りが溢れている。

【写真】送検された船戸雄大容疑者

 虐待に関する取材を続け、『児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか』(朝日新書)などの著書があるルポライターの杉山春さんは「良い親か悪い親かだけをジャッジするような社会では、虐待はより発覚しにくく深刻化する」と指摘する。

 報道によると、一家が以前住んでいた香川県で児童相談所が訪問を始めたのは2016年9月。その後、東京都目黒区へ引っ越すまでに、児相による2度の一時保護、父・雄大容疑者は傷害容疑で2度も書類送検されている(いずれも不起訴)。その情報は、所管する品川児相にも共有され、結愛ちゃんが亡くなる1ヶ月前にも家庭訪問が行われていた。それでも命を救うことができなかったことに、杉山さんは「いろいろな意味でとても残念な事件」と話す。

「結愛ちゃんが書いた反省文を読むと、家族から強いコントロールを受けていたと感じます。社会的な力を失った親が、家族の中でも最も弱い者を標的にするという家族病理が現れたように思います。父親は、香川では虐待で通報され、書類送検されています。逮捕当時、無職でした。

 そうした状況は、父親にとって、耐えられないほどのマイナス評価だったのではないかと想像します。この家族はそうした評価を下された場所から逃げ出したようにも見えます。東京に転居すると大変なことになると(香川で親子を診察した)医師が警告していたという報道がありました。


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