安倍晋三首相 (c)朝日新聞社
安倍晋三首相 (c)朝日新聞社

 またもや新文書の存在が明らかになった。

 加計学園の獣医学部新設問題などをめぐり14日、衆参予算委員会で集中審議が開かれた。

 議場が騒然としたのは、午後に開かれた参院での田村智子議員(共産党)の質疑だ。

 田村氏は、国家戦略特区による獣医学部新設で加計学園のライバルだった京都産業大の計画について、2016年10月24日、京都府の副知事が当時の担当大臣だった山本幸三・前地方創生相と面会していた事実を明らかにした。

 だが、その面会は事実上のゼロ回答だったという。田村氏によると、副知事が獣医学部新設の陳情をしたことに対して山本氏は、「経過もあり、1校しか認められない。難しい状況なので理解してほしい」と求めたという。田村氏は、面会の内容が記されたメモが残っていると説明している。

 山本氏の後任である梶山弘志・地方創生相は、事実関係について問われると「承知していない」と答弁した。

 これまで明らかになった経緯では、国家戦略特区で獣医学部の新設を「1校限り」と政府が決めたのは16年12月22日。田村氏の指摘では、その2カ月も前に「1校限り」の方針がすでに決まっており、京都府に「断念するよう説得していたことになる」(田村氏)。梶山氏は「そのやりとりは承知していない」と否定、山本氏と副知事の面会記録は存在しないという。両氏の主張は平行線だ。

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