次に話題にしたのも、争点とは直接関係のない名護の名物に関して。

「名護はソーキそばの発祥地。ほかにパイナップルパーク、シークヮーサー、泡盛り、オリオンビールの工場などたくさんのネタがある」とし、「これだけネタがあるのに知事と政府の代理戦争と言われるのは違う」と力説。

 結局、演説した約15分の間に基地や具体的な政策に関しては全く触れず、拍子抜けした表情の聴衆もいた。

 地元紙の記者が解説する。

「選挙戦を通じて自民が打ち出したのは、基地問題からの徹底した争点ずらしです。まともに戦えば、稲嶺氏とその後ろにいる翁長雄志知事を中心とした『オール沖縄』には勝てない。そこで辺野古移設問題には一切触れず、市の経済の活性化を打ち出すことで、基地問題に疲れた人たちの票を呼び込もうとしているのです」

 苦肉の策にも思える”争点隠し”は功を奏するのか。(桐島瞬)