もちろん選手たちもその気持ちは強い。今年、大ブレイクした宮崎は「CSは独特の雰囲気があって、すごく楽しかった。ファンの人たちも盛り上がるし、プロ野球選手としての喜びを味わった場所」と言い、チーム最多の63試合に登板してクローザーとして気を吐く山崎康晃は「昨年は素晴らしい経験をさせてもらいました。CSは行きたいではなく、行かなければいけない場所」と力強く語った。

 さて、今後の戦況であるが、9試合を残している巨人は、そのうち今シーズン勝ち越しているヤクルト中日阪神との試合が7試合あり、これが有利に働く可能性が高い。

 一方、DeNAは残り10試合。うち今シーズン7勝13敗と負け越している阪神との対戦が5試合も残されている。24日からの阪神5連戦は、まさに雌雄を決するシビアな試合となるが、全体を見た場合、巨人より有利な点もある。それは今シーズン34勝27敗3分と勝ち越しているホーム、横浜スタジアムでの試合が7試合残されていることだ。

 思い返せば、昨年の巨人とのCSファーストステージでは、東京ドームに多くのDeNAファンが詰めかけた。球場半分を横浜ブルーに染めあげ、選手・ファン一体となって勝ちへの機運を高め、ファーストステージを突破した。選手たちは敵地ながらもファンが作った雰囲気に驚き、感動して戦った。ホーム・ハマスタでの7試合は、地の利を生かした強烈なファンの後押しでどこまで選手たちが奮起できるかがカギになる。

 若いチームゆえ脆弱さが顔をのぞかせ崩れ果てるのか、それともこの苦境を乗り越えてAクラスとしてのプライドを守るのか。

 当然、ここにきてもラミレス監督は強気だ。

「これから10試合はどのチームとやる時も集中しなければならない。特に阪神とは5試合残しているので、あくまでも2位を目指してやっていく。この一週間が最大の山場になる」

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