売り出し中の和製大砲。日本人離れした体格から豪快なスイングで“おかわり2世”と大きな期待を受けてきた男が、大卒4年目の今夏にブレイク。7月中旬から出番を増やすと、8月2日の楽天戦では3打席連続本塁打の大暴れ。翌3日も猛打賞の活躍を披露して、球団59年ぶりの13連勝の原動力となった。昨年の「山の日」は出番がなかったが、今年はもちろんスタメン出場予定。相手はロッテ。豪快な一発を期待したい。
【二塁手】山田哲人(ヤクルト)
言わずと知れた2年連続トリプルスリー男。プロ7年目の今季は、開幕から打撃不振に喘ぎ、ここまで打率.237、17本塁打、55打点、12盗塁。一時のどん底からは抜け出したが、まだまだ相応しくない数字が並んでいる。ただ、それでも「山の日」ベストナインには欠かせない男であることに違いはない。昨年は「山の日」の前日8月10日に背中の痛みで登録抹消となったこともあり、今年はぜひとも、うっ憤を晴らす活躍を見せてもらいたい。
【遊撃手】山本泰寛(巨人)
最も適任者を欠いたポジションであるが、ここはひとつ、山本泰寛(巨人)を推したい。慶応大からプロ入りして2年目。堅実な守備に加え、昨季はルーキーながら1軍27試合に出場して打率.256を残した。坂本勇人がいるために出場するなら二塁となるが、大学時代は遊撃手としてベストナインに選ばれた実績もある。今季はここまで26試合に出場して打率.169。「山の日」で一気に上昇気流を掴みたい。
【三塁手】大山悠輔(阪神)
金本知憲監督から大きな期待を受けるドラフト1位ルーキー。2軍でプロのスピードに慣れた後、6月18日に1軍初昇格し、デビュー5戦目、2度目のスタメン出場となった7月1日のヤクルト戦で1号3ランを放った。その後も出番こそ少ないが、天性の長打力を要所で見せ、7月までに3本塁打をマーク。期待の和製大砲が爆発すれば、「山の日」の国民的認知度とともに、大山の全国的知名度アップも大いに期待できる。
【左翼手】松山竜平(広島)
ミート力とパワーを兼ね備えた打撃が魅力の外野手。2013年、16年と10本塁打を放ちながら定位置確保に至らなかったが、大卒10年目を迎えた今季は6月以降にスタメン出場を増やし、ここまで82試合に出場して打率.309、7本塁打、41打点をマーク。5番打者として持ち前のパンチ力を見せ付けてチームの首位快走に貢献している。昨年の「山の日」はソロアーチを放った。2年連続の“山の日弾”なるか。
【中堅手】秋山翔吾(西武)
2015年に日本記録となる年間216安打を放った希代のヒットメーカー。昨季は打率3割を切るなど自身にとっては物足りないシーズンだったが、WBCの激闘の後に臨んだ今季は、ここまで計5本の先頭打者弾を放つなど長打力に磨きをかけ、8月5日のソフトバンク戦ではシーズン20本塁打に到達。同時に首位打者争いでもトップに立つなど、充実のシーズンを過ごしている。文句なしでの「山の日」ベストナイン選出だ。
【右翼手】高山俊(阪神)
シュアなバッティングで球団新人安打記録を更新した虎の秀才外野手。2年目の今季は成績を落とし、7月以降はスタメン落ちも珍しくない悩める日々を過ごしているが、東京六大学の通算安打記録も持つ男の能力に疑いの余地はない。金本知憲監督の“超変革”にとっても欠かせないピース。「山の日」を機に、巻き返してもらいたい。
【指名打者】栗山巧(西武)
高卒生え抜き16年目を迎えている33歳のベテラン外野手。昨年はオールスター初出場を果たし、初打席初本塁打を放って見せた。オフにはFA権を行使した上で残留。8月10日終了時点で打率.246、6本塁打、30打点という成績は、指名打者としてはやや物足りないが、数字には表れない類まれなリーダーシップでチームを牽引。奇跡の逆転優勝へ向けて、「山の日」で弾みをつける。