■潮の満ち引きは月の引力のせい

 海面の高さは、時間によって高くなったり(満潮)、低くなったり(干潮)する。これを潮の満ち引きというが、原因は月の引力にある。月の引力は、月に近いほど大きくはたらくので、月に近い位置にある海がより引っ張られて満潮になる。一方、月から見た地球の反対側も、満潮になる。月と地球は互いに引っ張り合いながら回っていて、互いに後ろに引っ張られるような力(遠心力)がはたらくためだ。

■地球の影で月が隠れるのが「月食」 月の影が地球に落ちるのが「日食」

 月食も日食も、地球・太陽・月の位置関係によって、影ができることにより起こる現象だ。しかし、そのメカニズムは月食と日食で少し違う。

 月食は、太陽・地球・月の順番にまっすぐに並んだときに、太陽による地球の影が月に落ちることで起こる。このとき、地球は月よりも大きいので、月全体よりはるかに大きな影が月に落ちることになる。だから、地球の広い範囲から観測できる。

 日食は、太陽・月・地球の順番にまっすぐに並んだときに、太陽による月の影が地球に落ちることで起こる。このとき、月は地球よりも小さいので、地球全体よりはるかに小さい影が地球に落ちる。日食を観測できるのは、月の影になっている部分からだけだ。

■昼でも日陰はマイナス80度

 大気のない月では、風が吹いて暖かい空気や冷たい空気が循環することがない。このため、日なたと日陰の温度の差が激しく、日陰になっている場所では、昼でもマイナス80度くらいになる。

■宇宙服の中を水が循環

 月面では、日なたと日陰の温度の差が激しいため、そこに立っている人も、日の当たる側と当たらない側で、温度に大きな差ができてしまう。そこで、宇宙服の中は、風呂の水をかき回すように、水がぐるぐると循環していて、一定の温度が保たれている。

■月に立てた国旗は今でも残っている!

 アポロ計画では、月に六つのアメリカ国旗が立てられたが、2012年にNASAの無人月探査機が撮影した画像によって、そのうち五つが残っていることが確認された。ただし、太陽の強い光に数十年もさらされたため、模様はなくなり、真っ白になっているだろうと考えられている。

(監修/大阪大学准教授・佐伯和人)

※月刊ジュニアエラ 2017年8月号より

ジュニアエラ 2017年 08 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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