女性誌読者モデルランキング(1~14位) 『JJ』(光文社)、『CanCam』(小学館)、『ViVi』(講談社)、『Ray』(主婦の友社)の2016年1~12月号掲載の読者モデルをのべ人数で集計
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女性誌読者モデルランキング(1~14位) 『JJ』(光文社)、『CanCam』(小学館)、『ViVi』(講談社)、『Ray』(主婦の友社)の2016年1~12月号掲載の読者モデルをのべ人数で集計

 女性ファッション誌には、読者モデルとして数多くの女子学生が登場する。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版)では、誌面に記されている彼女たちの大学名を集計した、女子学生の読者モデルランキングを掲載している。毎年、上位校には特定の大学が並んでいるが、それは偶然なのか、必然なのか。『JJ』『CanCam』『ViVi』『Ray』4誌の読者モデルから、大学の特徴を探ってみた。

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 やはり上位を占めたのは華やかなイメージがある私立大学だ。1位の慶應義塾大、3位の青山学院大には、近場に付属高校があるという共通点がある。慶應義塾女子高校は三田キャンパスに隣接、青山学院高等部は青山キャンパス内に同居している。中学、高校時代から先輩たちのおしゃれを観察してきたので、大学入学以前からファッションセンスが磨かれたといっていい。

 もう一つの共通点は、可処分所得、つまり学生にとってお小遣いが多いことがあげられる。慶應、青学に小学校から通っている学生の保護者は高所得者層が多い。最先端のファッションは多少高価でも手に入れることができる、という理由だ。

 2位は早稲田大。かつてはおしゃれとは縁遠い存在と言われることもあった「ワセジョ」の健闘について、30代以上のOB・OGは驚きをもって受け止めているかもしれない。だが、いまやキャンパスで「ワセジョ」などと言ったら、さめた視線で見られるだろう。女子学生は20年前と比べ約6000人も増え、いまは1万6000人以上いる。青学のおよそ倍で、慶應より5000人多い。読者モデルとして活躍する学生が多くなってもおかしくない。

 早稲田大の読者モデルには国際教養学部の女子学生が多い。『JJ』は同学部を「外資系キャンパス」と呼ぶ。海外の高校やインターナショナルスクール出身で帰国生徒、日系人、親のいずれかが外国人、外国人留学生など、国際的な背景を持つ学生が多いことから命名された。なるほど、モデルの名前を見ると、英語のセカンドネームが入っている学生が見られる。

『JJ』はほかに国際基督教大、上智大国際教養学部も外資系キャンパスと定義づける。今回、国際基督教大はふるわなかったが、9位の上智大ではたしかに国際教養学部が多い。

 明治大、法政大、中央大が上位にくるのは、キャビンアテンダント、女性アナウンサーランキングと同じ理由だ。体育会系など硬派なイメージだったキャンパスに女子学生が急増したことによる。

 聖徳大、武蔵大、帝京平成大、駒澤大、千葉大の上位進出は、1人のカリスマ読者モデルの活躍が大学を引っ張ってきた。したがって、そのモデルが卒業すると、順位に大きな変動が出てきそうだ。(教育ジャーナリスト・小林哲夫