韓国・慰安婦少女像 「隣のイス」があいている理由とは (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

韓国・慰安婦少女像 「隣のイス」があいている理由とは

このエントリーをはてなブックマークに追加
韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する「少女像」。作者は「たくさんの人たちと一緒にコミュニケーションできるように」とも考え、少女の姿にしたという。隣のイスに座ることもできる (c)朝日新聞社

韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する「少女像」。作者は「たくさんの人たちと一緒にコミュニケーションできるように」とも考え、少女の姿にしたという。隣のイスに座ることもできる (c)朝日新聞社

 韓国・釜山の日本総領事館前の少女像をめぐって、日本と韓国が対立している。隣国どうし、仲よくできないのだろうか。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞編集委員・北野隆一さんの解説を紹介しよう。

■隣のイスがあいているワケ

 慰安婦とは1930~40年代の日中戦争や第2次世界大戦中に日本軍の慰安所に集められ、日本の将校や兵士の性の相手を強いられた女性たちのこと。「いい仕事がある」などとだまされた人も多い。日本、朝鮮半島、台湾、中国やアジア各国の女性が慰安婦にされた。

 元慰安婦の女性が91年、韓国内で相次いで名乗り出て、日本政府は93年、当時の河野洋平官房長官が談話(河野談話)を発表した。元慰安婦への「心からのおわびと反省」を表明。「歴史研究、教育を通じて問題を記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さない」と決意を示した。

 像が初めて置かれたのは2011年、ソウルの日本大使館前。日本に謝罪や賠償を求め、元慰安婦と支援団体が毎週開いてきた「水曜デモ」が1千回を数えたことを記念し、元慰安婦の支援団体が設置した。

 日本政府は大使館前の少女像設置が外交関係についての国際的な取り決め「ウィーン条約」に違反していると主張。「大使館や総領事館などの在外公館を受け入れる国は、公館の威厳を損ねない責任がある」との決まりをもとに、韓国政府に撤去を求めてきた。

 15年12月、日本と韓国の外務大臣がソウルで会談し、慰安婦問題を決着させるための「日韓合意」を発表した。日本政府は慰安婦問題について、日本軍が関わって多くの女性の「名誉と尊厳」を深く傷つけたと認め、安倍晋三首相からの「心からのおわびと反省」が伝えられた。

 韓国政府が元慰安婦の支援のためにつくる財団に日本が10億円を出し、問題が後戻りできない形で最終的に解決され、国際社会でお互い非難しないようにしようとも確認した。

■「本人の前で謝ってほしい」という声

 だが「元慰安婦本人たちに事前の相談なく政府が合意したのは納得がいかない」と韓国内で反発が広がった。安倍首相が電話で朴槿恵大統領におわびを伝えたが、元慰安婦の前で日本政府を代表して謝った人がいなかったことも批判を招いた。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい