20年連続22回目の出場となる青森山田はBブロックから悲願の選手権制覇を目指す。県大会の3試合で18得点無失点という圧倒的な強さを示したが、全国での強さも折紙付き。プレミアリーグEASTでは当代最強レベルのFC東京U-18から首位の座を守り、チャンピオンシップでサンフレッチェ広島ユースをPK戦の末に破り、クラブユースを合わせた世代の頂点に輝いた。しかしながら、選手権は前回がベスト4、09年は準優勝と惜しいところで涙を飲んでおり、優勝にかける思いは強いはずだ。

 司令塔のMF高橋壱晟(→千葉)とU-19日本代表のGK廣末陸(→FC東京)という攻守の“二枚看板”はもちろん、インターハイ得点王のFW鳴海彰人、対人戦に滅法強い左SBのDF三国スティビアエブスといった強力な“個”を擁するが、名将の黒田剛監督が鍛え上げたチームはハイプレスと連動性のある攻撃を武器に組織でも相手を凌駕する。

 その青森山田にとって2012年の王者である鵬翔(宮崎)が初戦の相手となったことは厄介かもしれない。全国の怖さを熟知しているチームにとっても初戦が鬼門であることに変わりはない。この難敵を撃破しても侮れない相手が続くが、野洲(滋賀)、広島皆実(広島)、立正大淞南(島根)など強豪揃いの山の勝者と対戦する準々決勝が大一番になりそうだ。

 千葉県大会の決勝で、インターハイ決勝の対戦相手でもあった流通経済大柏を破った市立船橋はCブロックから参戦。U-19アジア選手権で5大会ぶりの世界大会(U-20W杯)行きに貢献したDF原輝綺(→新潟)をはじめ主将のCB杉岡大暉(→湘南)、ゲームメーカーの高字洋(→G大阪)という3人のJ内定者に加え、年代別代表選手がひしめく全国屈指のタレント集団であるが、伝統的な戦術理解の高さをベースとする統率力、そして接戦も確実に勝利するしたたかさが売りのチームだ。

 大きな注目を集める初戦の相手は京都橘(京都)。U-19代表FWの岩崎悠人(→京都)と鋭いドリブルが武器のFW堤原翼など攻撃力が自慢の相手を突破できれば一気に視界が開けてくる。ただし、次の試合では前橋育英(群馬)と明徳義塾(高知)の勝者が相手となり、準々決勝で当たる山にも滝川二(兵庫)など波に乗ればベスト4以上も狙える実力校が虎視眈々と躍進を狙っている。

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