女子ダブルスで金メダルを獲得し、喜ぶ高橋礼華(左)、松友美佐紀組=長島一浩撮影   (c)朝日新聞社
女子ダブルスで金メダルを獲得し、喜ぶ高橋礼華(左)、松友美佐紀組=長島一浩撮影  (c)朝日新聞社
女子ダブルス決勝でデンマークのペアと対戦する高橋礼華(奥)と松友美佐紀組=18日、リオ中央体育館、長島一浩撮影  (c)朝日新聞社
女子ダブルス決勝でデンマークのペアと対戦する高橋礼華(奥)と松友美佐紀組=18日、リオ中央体育館、長島一浩撮影  (c)朝日新聞社

 最後の最後まで勝負の行方がわからない、大接戦を最後に制したのは日本だった。リオデジャネイロ五輪のバドミントン女子ダブルスで、「タカマツ」ペアこと高橋礼華/松友美佐紀が、金メダルを獲得したのだ。日本バドミントン史上、初の金メダルだった。

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 世界ランキング1位で、五輪開幕前から金メダル候補と目されていたタカマツペア。しかしながら、決勝の第1ゲームはデンマークのカミラ・リターユヒル/ クリスティナ・ペデルセンペアと競り合う展開に。お互いに点を取られては取り返すなか、最後はデンマークに逃げ切られてしまう。日本は21-18で第1ゲームを落とした。

 2ゲーム先取で勝負が決するため、続く第2ゲームは日本にとっては絶対に落とせない戦いとなった。幸先よく日本は先制点を挙げると、さらに連続で得点、波に乗った。中盤からはさらにポイントを重ね、10点以上の差をつけてデンマークを圧倒する内容で、日本ペアが第2ゲームを取り返した。

 金メダルの行方がかかった、最終第3ゲーム。日本のペースで試合が進むかと思いきや、再び大接戦となる。1点取っては1点取られ、どちらかが少しでもミスをすれば負けにつながるというプレッシャーのなか、日本もデンマークも双方譲らない試合展開となった。しかし、終盤でデンマークペアが攻め込み3連続ポイント。16-19で日本は追い込まれる。

 しかし、この苦しいこの状況から日本は1点、また1点と返していき、ついに19-19に追いついた。そしてそこから日本が先にマッチポイントを迎える。重圧のかかるこの場面でタカマツペアは一気に勝負を決め、21-19。最終ゲームを制し、この種目で日本初となる金メダルを獲得した。

 大接戦となった決勝を、ふたりは次のように振り返った。

「1ゲーム目は私が全然よくなかったんですけど、最後にファイナルで自分がやってきたことを諦めないで出そうと思って。それが出せてよかったです」(松友)
「競った場面で追いついたとき、『こういう時は自分たちの方が強い』と思ってプレーできたのでよかったです」(高橋)

(文・横田 泉)