まだまだ修行中! 船に乗れない“ねこ船長”奮闘記 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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まだまだ修行中! 船に乗れない“ねこ船長”奮闘記

山根さんと働く“ねこ船長”のミーちゃん

山根さんと働く“ねこ船長”のミーちゃん

最近は海のそばまでいっても平気になったというミーちゃん

最近は海のそばまでいっても平気になったというミーちゃん

散歩が大好きなミーちゃん。背中を岸壁の砂にこすりつけて遊ぶ

散歩が大好きなミーちゃん。背中を岸壁の砂にこすりつけて遊ぶ

遊覧船からは世界ジオパークにも認定された奇岩の数々が楽しめる

遊覧船からは世界ジオパークにも認定された奇岩の数々が楽しめる

“ねこ船長”ミーちゃんの1日は、但馬海岸遊覧船の営業所長であり、船長でもある山根悠也さん(36)の出勤から始まる。ミーちゃんは推定年齢1歳、メスの三毛猫だ。くりくりの目がかわいらしい。営業所内に住むミーちゃんは、入り口のドアが開くと、まずは山根さんの横をすり抜け、外への脱走を試みる。しかしすぐに捕まえられ、仕方なく「ニャー」と鳴きながら営業所内をうろうろする。

 山根さんの仕事が一段落すると、日課のお散歩だ。岸壁や広場など営業所の周りを悠々と歩く。砂場では背中をこすりつけて遊び、大きな木の周りをぐるぐる回る。約30分のお散歩を終えて、再び営業所へ。所内では、乗船券を販売する窓際、お気に入りの場所に陣取って利用客を待つ。

 営業所の窓をガラガラと開けて券を買いに来た女性には、「ニャー」と鳴いてお出迎え。「あらかわいい」と、女性の顔がほころぶ。人懐こいミーちゃんは利用客の人気者だ。普段は営業所内で自由に過ごすが、天気が良い日は営業所の外にいることもある。人が近づくと寝転がり、おなかをみせてごろごろする。頭をなでると、目を細めて「ニャー」と鳴く。

 兵庫県新温泉町の浜坂港を発着する但馬海岸遊覧船は、世界的に貴重な地形・地質遺産と認定されている、山陰海岸ジオパークの景色を楽しめる、町の観光の目玉だ。3~11月の午前9時半から午後4時まで、約30分おきに運航。料金は大人1600円。船からは自然が造りだした奇岩などが見られ、波が穏やかな時はトンネル状に浸食された岩の中を通るスリリングな体験もできる。

 ミーちゃんは2016年3月から本格運行を始めた、船底から海中をのぞけるグラスボート「いわつばめ号」の船長としてデビューした。水が苦手なため、船には乗らないが、早くも「名誉船長」の体で船の発着や利用客を見守っているのだ。

 ミーちゃんと山根さんの出会いは15年10月。出勤した山根さんが、営業所前のあずまやに置かれた段ボール箱を発見。中をのぞくと、両手ほどの大きさの子猫が捨てられていた。地元の動物病院などに相談したが引き取り手が見つからず、いったん営業所で面倒を見ることに。動物を飼ったことがない山根さんだったが、子猫と過ごすうちに情が移り、「なんとかこのまま飼えないか」と考えるようになった。


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