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育てるより買った方が早い?大企業がITベンチャー取り込みに躍起な理由

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ベンチャーと大企業のマッチングを行うCreww(クルー)株式会社の伊地知天(いじちそらと)代表取締役

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東京三菱UFJ銀行は始めて開いたベンチャーコンテスト「Fintech Challenge(フィンテックチャレンジ)2015」

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東急電鉄は「アクセラレートプログラム」を初開催した

東急電鉄は「アクセラレートプログラム」を初開催した

 起業して間もないものの、ユニークな技術やアイデアを持つ「スタートアップ」と呼ばれる若いITベンチャー企業が、大手企業と“コラボレーション(協業)”して新たなビジネスを展開しようという動きが目立ってきた。

 安倍政権がベンチャー創出や支援を成長戦略のひとつに位置付けたこともあり、大企業にもベンチャー企業と協業や買収の機運が高まる一方、保守的で意思決定スピードも遅い大企業の体質に嫌気をさし、飛び出して起業するケースも多かったITベンチャーの間にも、自社の成長を加速させるためには大企業を利用した方がいい、との考え方に変わりつつある。

 2015年は日本での“大企業とベンチャーの協業開始元年”といえるような様相だった。

 大手企業がベンチャー企業を取り込もうという動きはめずらしいことではない。NTTドコモやKDDIといった大手通信企業は、4年ほど前からベンチャー育成を目的としたコンテストや支援プログラムを設けており、ここで大きく育って巣立った企業も多い。

 ただ、両通信大手はインターネットのインフラを提供していることもあり、ネット技術を活用して起業したITベンチャーとはきわめて近い存在だ。今年は、ネットビジネスと縁遠いとみられていた業界が協業に向けて動き始めたことで注目を集めた。

●メガバンクや鉄道会社が相次ぎベンチャー支援

 その代表格が銀行だ。東京三菱UFJ銀行は今年始めて「Fintech Challenge(フィンテックチャレンジ)2015」というベンチャーコンテストを開催した。

 仮想通貨「ビットコイン」をはじめとした「FinTech」(フィンテック=ファイナンスとテクノロジーを合わせた造語)と呼ばれる金融関連サービスや技術が相次いで登場しているなか、「急速な環境の変化に柔軟に対応していくには、オープンイノベーションで新しいアイデアを外部から取り込んで変化していかなければならない」(同銀の村林聡専務取締役)との危機感があったようだ。

 国内を代表するメガバンクがベンチャーとの協業を模索し始めたことは金融業界に大きな影響を与えた。福岡銀行などを傘下に置く九州最大の金融持ち株会社「ふくおかフィナンシャルグループ」(福岡市)は、九州電力やJR九州といった地場の大手企業を巻き込んで、ベンチャーとのビジネスマッチングを試みる「X-Tech Innovation(クロステック・イノベーション)2015」を初めて企画。九州からイノベーションを起こすと意気込む。

 金融業界だけでなく、同じく“手堅い業界”である鉄道業界でもベンチャーの取り込みに向けた動きを相次いで発表した。


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