柄杓の使い方にも決まりがあるので注意したい(写真はイメージ)
柄杓の使い方にも決まりがあるので注意したい(写真はイメージ)

 年が明けて、初めてのイベントでもある初詣。だが、神社の決め方から参拝の手順、拍手の方法も実はよくわからないという人も多いだろう。そこで、今更聞けない正しい初詣の方法を紹介したい。

 実は干支によって、初詣に良いとされる方角が決まっているのをご存じだろうか?

 節分が近づくと耳にする“恵方”という言葉。この恵方は、その方向に向かって事を行えば「万事に吉」とされている方角のことを指す。その年の恵方にある寺社を参る「恵方詣(まい)り」は、江戸時代までは一般的な正月行事だったというが、最近ではほとんど行われていない。

 2016年はぜひとも幸福な一年にしたいという人は、恵方詣りに挑戦してほしい。まず、2016年の干支は丙申(ひのえさる)なので、恵方は南南東となる。次に恵方詣りに行く出発点を中心として、南南東に位置する神社を調べる。これは、地図などで確認してもいいし、最近ではネットで簡単に探せるサービスもあるので利用したい。後はその神社に参り、一年の幸福を祈願するのだ。

 2016年は申(さる)年なので、恵方に位置する猿にちなんだ神社を参れば、さらに効果的だろう。ただしせっかくの恵方詣りも、作法が正しくなければ台無しになるかもしれない。続いては、日本人なら知っておきたい初詣の「常識」を、お教えしよう。

『イラストでよくわかる 日本のしきたり』の著者でもある丸茂アンテナ氏の意見をもとに、初詣のマナーを予習しておきたい。

 そもそも初詣とは、「年籠(としごも)り」という神道の習慣だったという。神道起源なので本来は神社に行くものだが、お寺でも問題はない。大みそかから日付が変わって元旦となり、その日のうちにお参りするのが本来の姿だが、一般的には正月三が日までの参拝を初詣と言う。1月7日の松の内(門松を飾っておく期限)まで受け付けている社寺も多い。

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