ある日、参加者のビジネスマンのひとりに言われた。

「これ、セラピー効果があるかも……」

 そんなこと考えたこともなかった。

 ただ、思い当たるふしはあった。

 参加者のなかには、話をしながらこみ上げてくるものがあって、涙する人も少なくない。主宰者のわたしがドキッとするような話も出てきたりする。

 そして、講師塾を続けているうちに、なんとなくわかってきた。「話す」というのは、究極のアウトプット。

 さらに、それをしっかりと受け止めて聞いてくれる人がいる。たぶん、そこで認められている感がある。

 それが、心地良いのだと感じる。

 多くの人は、誰かに自分の思いや考えを聴いてもらいたいのだと思う。

 だから、しっかり話をすると、スッとする。

 わたしの主宰する講師塾だけじゃない。わたしの周囲には、人気の心理カウンセラーもいる。彼らは言う。

「聴いてあげるだけで元気になる人なんて山ほどいるよ」

 やっぱり、話すだけでごきげんになる人はたくさんいる。

 では、なぜ、話すとごきげんになるのだろう。

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