TOTO欧州の「NEOREST(ネオレスト)」。リモコンはシンプルで使いやすい
TOTO欧州の「NEOREST(ネオレスト)」。リモコンはシンプルで使いやすい
欧州のトイレはバス、洗面所と一緒になり、デザイン性が高い
欧州のトイレはバス、洗面所と一緒になり、デザイン性が高い

  新築のお宅でトイレを借り、使い方が分からなかった経験はないだろうか? 洗浄するつもりが、ボタンを押し間違えて、水音が流れたり、温風が吹いてきたり。トイレに入るなり、便器のふたが開いたのを初めて見た時は、びっくり……進化について行けず、時には翻弄されることもある。だが、常に“新しい道”を模索する姿は前向きで好感が持てる。まさに「至れり尽くせり」の日本のトイレに、「おもてなし」の神髄を見る思いだ。

 あらためて、日本のトイレが備えている機能を挙げてみた。便座は、お尻の温水洗浄のみならず、汚れ防止、暖房、ふたの自動開閉、ビデ、マッサージ、乾燥、脱臭、除菌などなど……。便器もいい仕事をする。1回流すのに必要な水量は旧来製品の3分の1以下と、節水力に優れている。また、表面を平滑にすることで汚れが付きにくく、水流を回転させる工夫により効率よく洗浄するなど、清潔に保つ工夫がある。

 暗くて、寒くて、汚いトイレは、昔の姿。日本人が「厠(かわや)」「ご不浄」といって、隔離していたスペースは、現代では明るく、快適で、清潔な空間に変わった。英知を集めて、理想のトイレを追求する日本企業の姿勢は、海外でも認められている。

 今年の主要国首脳会議(サミット)会場となったドイツ・エルマウのホテル、シュロス・エルマウでは、TOTOの製品が採用されていた。エルマウは、国際的な知名度こそ高くないが、ドイツ国内では高い人気を誇るリゾート地である。ホテル シュロス・エルマウは五つ星ホテルで、トイレに設置されたのは、温水洗浄便座「ウォシュレット」と一体になった「NEOREST(ネオレスト)」という便器だ。

 TOTO広報によると、ネオレストは世界共通のブランドで、価格はいろいろあるが、シュロス・エルマウに設置された商品は、国内の汎用品の2倍以上。「世界最高峰のトイレ」と言っていい。多彩な「仕事ぶり」は前述した通りであり、最新鋭の技術が搭載されている。

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