「動」の人だった菅原文太さん(c)朝日新聞社 @@写禁
「動」の人だった菅原文太さん(c)朝日新聞社 @@写禁

 健さんに続いて、文太さんまで…・・・菅原文太さんが12月1日、亡くなっていたことがわかった。娯楽映画研究家の佐藤利明氏が、菅原文太さんの偉業について解説してくれた。

「健さんが『静』の人ならば、菅原さんは『動』の人。健さんとは違う意味で男らしかった。2001年にインタビューで深作欣二監督についてお聞きしたのですが、こちらの質問に対して実に明快な言葉で応えてくれました。非常に誠実な方だと思いました」(佐藤氏)

 その誠実さは演じられた役柄を通じて伝わってくると佐藤氏は語る。

「代表作の『仁義なき戦い』で菅原さんは、戦後の混乱の中で、上の世代や組織に翻弄されながら、居場所を作ろうとした復員兵を演じました。今でも共感できるようなキャラクターだと思います。もうひとつの代表作である『トラック野郎』では、コミカルに直情型の運転手を好演しました。その華やかさと男気あふれる演技は、文太さんの生きざまと重なります。つまり、何事も行動でみせてくれるところです。最近、社会問題に関して積極的に言及していた。権威におもねらず、しっかりと自分の主張をする。映画でみせた情熱とどこかでつながっていると感じます」(同)

 健さんとは全くタイプが違うが、菅原さんも"昭和の男"を貫き通したといえる。昭和の映画界を彩ったスターがまたひとり消えてしまった。