球団マスコット「カープ坊や」のマグカップ。オールドユニフォームを着ている
球団マスコット「カープ坊や」のマグカップ。オールドユニフォームを着ている
地元出身のミュージシャン「ユニコーン」とコラボしたカープかつ。広島名物のお好みソース味だ
地元出身のミュージシャン「ユニコーン」とコラボしたカープかつ。広島名物のお好みソース味だ

 23年ぶりのセ・リーグ制覇をめざして、優勝争いを繰り広げる広島カープ。その勢いはネット上でも止まらない。

 ネット行動分析サービスを提供するヴァリューズ社が、今季(2014年1月~7月)のセ・リーグ球団公式サイト訪問者を分析した。

 その結果、東西の人気球団である巨人阪神に続き、広島が上位に入った。広島のサイト訪問者は合計で約80万人(実数)に達している。

 特筆すべきは、その内訳だ。サイトの訪問者の男女比をみると、他の球団では女子は3割台にとどまっているのに対して、広島は訪問者の4割を占める。年代別では20~34歳の若い世代でも広島は24%でトップだった。

 カープ人気を裏付けるのは、全12球団の公式グッズ販売サイトのユーザー数だ。7月のユーザー数(実数)は、広島がダントツの約12万人で、約7万人の2位・阪神を大きく引き離した。まさに独り勝ち状態なのだ。

 ユニフォームなど球場で身につける応援グッズだけではなく、「Carp」のロゴが入った「手編みリボンハット」や「ウールハット」といった街中で使えるアイテムや、広島特産の野筆とコラボした真っ赤な化粧用ブラシなど、販売サイトには女子受けしそうな商品が満載だ。

 さらに野球ライターの京都純典氏からは、こんな指摘も。

「女性向け商品も人気ですが、カープのグッズで特に好評なのは限定Tシャツです。8月27日の試合では石原慶幸捕手がサヨナラ内野安打を放ちました。そこで球団は、6年連続でサヨナラ劇を演出した石原捕手を記念し、『一丸となって戦おう!』とプリントした限定Tシャツをネットで発売しました。これは即日完売です。話題の出来事を、即座に商品化する。こうした点もファンの心をガッチリつかんでいると思います」

 今シーズンは他にも、プロ野球史上63人目のサイクルヒットを達成したロサリオの記念Tシャツ(9月2日)、戸田隆矢プロ入り初勝利記念Tシャツ(7月16日)、梵サヨナラホームランTシャツ(5月13日)、一岡竜司初勝利記念Tシャツ(4月27日)などが販売され、いずれも完売している。

 広島東洋カープの営業企画室は、通販サイトの人気について「直近のグッズの売上げは過去最高。公式のサイトは一日に1万件のアクセスがあります」としている。

 9月4日の巨人戦に敗れてマジック点灯を許してしまったが、球団とファンがまさに一丸となって戦うカープから、ますます目が離せない。