加えて94カ所の設計変更を施し、旧モデルよりも静粛性を増したという車内。その空間でドライバーがよりリラックスして楽しめるようにオーディオの音質を向上した。スピーカーの樹脂振動板には、先代モデルから樹脂のフィラー(充填材)として竹繊維や竹炭を添加している。「今回は世界初の試みとして、竹の葉の先端に分布する釣り針状の成分、“プラントオパール”を強化材として用いたことで、薄くても剛性の高い振動板に仕上がり、ひずみの少ない良質な音を実現した」(加古さん)

 加古さんは、もともと材料のエンジニアで欧州駐在をきっかけにインテリアの感性品質の向上に携わり、車全体の開発へとその領域を広げていった経歴の持ち主。そのキャリアも相まって、インテリアでは「若い女性にも乗って頂きたいので、カラーバリエーションも選択の幅を大きくしました」という。

 高級コンパクトカー市場は、価格帯以上の満足度が高い車種が揃うとあり売れ行きの好調が目立つ。今後も各社からの新型投入やマイナーチェンジが予想される。その激戦区で勝ち抜くためには、これまで以上にドライバーの心を捉えた車種の開発が鍵を握っていると言えそうだ。