■距離を置いてみよう

 まっさきに距離を置いたほうがいいのは、考え方を否定したり、「これが正しい」と正義感を押し付けてくるような人です。もちろん長い時間を共にしている親友や恋人なら、自分のことを思って言ってくれるパターンもあるでしょう。

 しかし、そんなに深い関係でもないのに、ズケズケと心の中に入ってくる人がいます。僕だって、普段のYouTubeでは聞かれたことを答えるだけのスタイルです。わざわざ対面で会ったときに「あなたは、こうしたほうがいいよ」なんて言うわけないじゃないですか(笑)。

 価値観や考え方なんて、そんなに早く変わらないですからね。いい人ぶって教える態度で話すと、それはそれで相手も反発しますしね。

 考え方は、いろいろな経験をしてゆっくりじっくりと変わっていくものです。だから、根強く男尊女卑の考えを持っているようなお年寄りは、ちょっとやそっとで根本的に考えが変わることはありません。炎上したり社会的に罰を与えられて、初めて学習します。

 だからこそ、私たちは、本や映画などを通して、「自分から」いろいろな価値観に触れておいたほうがいいと思います。これが「相手から」になってしまうと問題が生じますからね。「へー、そんな考えもあるんだー」と、一定の距離感じを持って、日々、それを感じるような行動を取っていけばいいと思います。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。