<ポイント>
引き出しは深さ17センチ程度、幅55~60センチ程度が使いやすい

 市販の引き出し収納の深さ展開は、だいたい17センチ、23センチ、30センチです。インナーや下着、靴下、ストッキングを管理するなら17センチサイズをおすすめします。深すぎると必要なものを探しにくくなるからです。浅いと、衣類の量によっては上に引っかかって開け閉めしづらくなりますが、使いこなせる量に減らすための目安と考えればよいでしょう。

 また、幅の狭い引き出しをたくさん並べるよりも、ワイド幅の引き出しの中を紙袋で区切って使うのがおすすめです。1回の開け閉めで数種類のアイテムの出し入れができます。

 紙袋で区切る場合は、紙質のしっかりしたものを、引き出しの高さジャストに折り込んで、箱状にしてください。引き出し内に横に複数並べて間仕切りとします。

 あとはたたまずに放り込むだけ。使うのは手前から、洗濯が終わったものは奥へ入れれば、同じアイテムばかり使い回すリスクも避けられます。

<「たたまない引き出し収納術」のさらなる工夫の例>

・奥行きのある引き出しなら、手前に「ON用」、奥に「OFF用」の衣類をまとめる
・奥行きのある引き出しなら、手前に「オンシーズン」、奥に「オフシーズン」をまとめる
・ストッキングを「柄や色」「厚さ」等でさらに分けてまとめる
・トップスもシフォン素材などシワになる心配のないものは、たたまず放り込む収納にする

 使いやすくまとめるのは大切ですが、分けすぎると戻すのが面倒になるので、くれぐれも気をつけてください。

 さて、今回は「たたまない収納術」をお伝えしました。あらゆるアイテムに望ましい収納方法があり、理想をいえばきりがありません。片づけが苦手な方に気をつけてほしいのは「正しい収納」にとらわれすぎて挫折してしまうことです。

 三日坊主に陥ってリバウンドを繰り返すと「自己効力感」は少しずつ、でも確実に削られていきます。“やること”ではなく“やらないこと”を決めて、シンプルに「出したものが戻せる」収納の仕組みづくりにこだわりましょう。

(家族の片づけコンサルタント sea<しー>)