先日、拙著『イケメンと恋ができる38のルール』出版記念にと、友達のひろこちゃんが逆ナンイベントを開催してくれた。

 お姉様と遊びたい若い男性と、若い男性と遊びたいお姉様とのマッチングパーティーで、お姉様は気に入った男性を選んでお酒を飲むことができるという。ただしその時は、その男性の飲み代は、こちらもち。というルールだ。
 会費は1人5000円。男性の分を払ったとしても10000円なのだから、本当のホストクラブに行くより安く済むのもありがたい。もちろん私はいそいそと出かけた。

 会場に行くと、ズラリと10人ほどの男性が揃っている。ほとんどの人がスーツだ。スーツなのだけれど、仕事帰りらしく、イケメンと恋ができる38のルールが輝いている人もいる。
 それに対して女性はなんと2人しかいない! 聞くと男性の反応は素晴らしく良かったのだけれど、女性の参加者がなかなか集まらず苦労したようだった。
 どうやら、年下男性におごってあげてまで一緒に飲みたいという気概のある女性はまだまだ少ない様子。肉食女子が増えたとはいわれていてるが、金銭面では対等でいたいというのが、本音なのだろう。

 それに比べて男性陣の集まりの良さは驚きである。聞くと、元役者志望、歌手志望、それからIT系サラリーマンという顔ぶれだった。平均年齢は25歳。  選ばれたそうに私を見つめる彼らの瞳に、私は驚いた。ほんの少し前だったら、このイベントの企画自体「そんなホストみたいな真似をするのはイヤだ」と拒む男性が続出しただろう。不況のせいで女性の経済力を頼りにする男性が増えたとニュースで見かけたけれど、目の当たりにすると、衝撃だった。

 さて私はこの逆ナンイベントでどうしたかというと、実は、誰も指名しなかった。たった1人だけ選ぶと残りの9人の男性達が、一気にシラけてしまいそうで怖くて決められなかったのである。

 でもその夜は素人男性達に、「脚が綺麗ですね」「すごく知的ですね」などとおだてられ、かなりイイ気持ちになれた。もうちょっと押してくれたら、思い切って財布を開いちゃってたかもしれない。でもギリギリのところでお互いに留まった。それでよかったのかもしれない。だってこれはあくまで一夜限りの試みだったんだもの。

 でももう少し女性たちが男性に奢ることに慣れてくれば、こうしたイベントは各所で行われるようになる気がしてならない。私はそれをあと2?3年後と読んでいる。