第1268回 懸命に生きるチィ坊に支えられ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1268回 懸命に生きるチィ坊に支えられ

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 名前はチィ坊(写真)。1歳半の雄です。生後2カ月ぐらいのとき、道路脇で横になって脚をバタバタさせているのを見つけ、病院に連れていきました。交通事故か何かで頭を打ち、脳に障害が起きてこんな状態なのだろうとのことでした。

 5日入院させましたが回復せず、横になったまま起き上がることもできません。病院から、これ以上の回復の可能性は低く、飼うにしても手間がかかり大変だからと安楽死を提案されました。でも、私は迷わず家に連れて帰りました。

 数日すると、起き上がろうとする動作があり、回復の兆しが見えたようでした。別の病院に行くと、これは三叉神経か耳の病気とのこと。その治療の結果、3日後にヨタヨタしながらも歩けるまでに回復しました。

 よく食べる元気な子でしたが、その後、壁によくぶつかる、ご飯の場所がわからない、トイレでの排泄ができないなど発達障害があることがわかりました。

 光は感じていても形の認識はできないようだし、廊下を行ったり来たりするなど同じ動作をしていることが多く、他の猫とは遊びません。

 一番困ったのは、どこででも排泄して、その汚物で汚物まみれになることでした。今は用を足すと「う~」と教えるように鳴きながら走り回り、柱に頭をぶつけています。

 ご飯を皿に盛り、口元に近づけると、皿までがっつくほど食欲があります。

 どれもこれも個性だと思うようになり、懸命に生きるチィ坊に、かえって支えられているように感じることが多々あります。

 ナースの仕事をしていますが、チィ坊と暮らしてから小さいことで悩まなくなり、少し優しい気持ちで患者さんにも心から穏やかに接することができるようになった気がします。

(藤田亜矢子さん 神奈川県/48歳/ナース)

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(更新 2018/3/22 )


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