第1189回 ピースを救った タイの刺し身 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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第1189回 ピースを救った タイの刺し身

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 わが家のピース嬢(写真)は14年前に娘の友人の家で生まれ、生後間もなくもらい受けた雑種である。
 元気で食べ物にいやしい点は昔から変わらず、彼女なりに愛敬を振りまきながら生きてきた。
 そんなピースがこの4月に病魔に襲われた。急に食欲がなくなり、いつもかじりついていたドッグフードを口にしようとしない。足もふらつき、まっすぐ歩くことさえ困難になり、首をかしげたまま地面にへばりついて動こうとしないのだ。
 さあ大変。予防接種をお願いしている動物病院に連絡すると、すぐに連れてきてくださいとのこと。嫌がるピースを無理やり車に押し込み、病院に急行した。
 ピースを抱きかかえ、診察台に載せると、あごひげをはやした先生が開口一番、「これは加齢などによる前庭疾患ですね。平衡感覚を失う病気です」。
 10分ほど点滴を受け、薬をもらって帰ってきた。
 平衡感覚がマヒしているせいか、自分の立ち位置が定かではなく、常に目が回り、不安定なようだ。そんな様子を見ていると可哀想でたまらなくなった。
 翌日から毎日病院に通い、点滴を続けた。薬の錠剤を餌に混ぜて食べさせようとしたが、食べない。粉薬に変えても駄目だった。
 4日目、ようやく刺し身を3切れ、口にした。タイの刺し身だった。マグロやサーモンは食べない。タイの刺し身だけがお気に入りだった。それ以来、私は近所のスーパーでタイの刺し身を買い続けた。正直、年金暮らしの私には少々痛い出費ではあった。
 首の傾きがやや残っているが、ピースは食欲が出てドッグフードを食べるようになった。
 タイは文字通りピースの命を救ったおめでたい魚だったのだ。よかったね、ピーちゃん!!

(前田義孝さん 滋賀県/65歳/無職)

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(更新 2016/8/18 )


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