10年前に、ショッピングモールのペットショップで、生後2カ月のジャックラッセルテリアの赤ちゃんに出会いました。
 小さくてドングリ眼の小生意気な男の子。可愛くて可愛くて、どうしても家に連れて帰りたくなり、妻とその場で相談して、出会って10分でうちのコに迎えました。
 彼、アレックス君(写真)はとてもやんちゃで、興奮すると家の中を全力疾走し、ドアや壁に衝突する「ひとり大運動会」。
 もともとは猟犬なので、散歩中にノラに出会えばいつも喧嘩。爪で鼻に穴を開けられ、顔中血だらけにされてしまったこともありました。アレックスは悔しくてワンワン吠えたね。
 雑木林ではもぐらの穴をどんどん掘って、泥で全身が真っ黒に。毎日シャンプーするわけにもいかないので、外に出る時は洋服を着ることになりました。洋服のコレクションは50着以上。私よりも衣装持ちです。
 お散歩は朝、昼、夕、寝る前の4回、1日計約4時間です。雪の日でも、どしゃ降りでも、台風の時でも、そんなの関係ない!と、妻か私と一緒に散歩しました。
 食べることも、遊ぶことも、甘えることも手抜きなし。アレックスはいつも全力疾走、一生懸命でした。
 ところが去年の10月25日、夜の散歩中、アレックスは急に方向転換して家に向かって歩きだしました。そして突然足がもつれ、倒れ込んでしまいました。
 慌てて抱っこして自宅に戻りましたが、舌が口から伸びてしまっていて、もうどうにもならない状態でした。脾臓に小さな腫瘍ができて、それが破裂したらしく、結局、アレックスは大好きな妻に抱かれて天国に召されていきました。
 アレックス、よく頑張ったね。うちに来てくれてありがとう!

(中条雅敏さん 千葉県/56歳/会社員)

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