の名前は松尾ミーです。5年前の5月のある日、私が新聞を取りに行こうとしたら、犬を散歩させていた近所のお姉さんが、子猫を抱いて通りかかりました。
 聞けば、子猫が公園に捨てられていたので、飼ってくれる人を探そうとしているというのです。「だったら私が育てます」と言って、引き取りました。
 写真のセーラー服姿は、本当によく撮れていると思います。ただし、これは可愛い服を見つけて一度だけ着せてみたもので、いつもこんな格好をさせているわけではありません。
 私は、児童館の学童保育の仕事をしていますが、首からぶら下げる名札の裏に、この写真を入れています。それを見た子どもたちの反応が意外なのです。
「この猫、先生の子ども?」と聞くので絶句していると、
「えっ、違うの? それじゃあ孫なの?」
 そうかと思えば、セーラー服を着ていることから「この猫は中学生?」と聞かれ、「この猫は高校生なの。猫学校に通っているの」と答えると、「ふうん」と妙に納得するところがたまらなく可愛いです。
 家では「ミーちゃん」と呼ぶと「ニャー」と返事をするので、それを携帯電話で動画に撮って友人たちに送り、その返信を見て楽しんでいます。
「戸を開けて」「水が欲しい」「帰ってきたよ」、どれも「ニャー」ですがそれぞれ違い、本当に言葉が話せるように聞こえます。
 ときには庭のモンシロチョウやトカゲを口にくわえて見せに来ることがあります。すごく得意げな表情ですが、「もういいよ、わかったよ」と言うと、スタスタとどこかへ持って行きます。
 仕事から帰り、門のところで待っている彼女に「ニャンニャニャン」と出迎えてもらうと、疲れが吹き飛び元気になります。

(松尾晴子さん 兵庫県/57歳/主婦)

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