インターネットのおかげで資料探しはグッと楽になりました。 気になる言葉は、グーグルで検索すれば、ある程度のことはわかります。もちろんネットの情報を鵜呑みにはしませんが、調べるためのとば口としては、充分です。

そこから先、資料本を探す時でも、Amazonなどのネット書店でキーワードを入れれば、関連書籍がずらずらと並びます。中味を確かめたければ、そこで書名を確認して、今度は紀伊国屋などの大手書店のサイトに入り在庫を確認する。店頭にあれば、そこまで足を運べばいい。無駄な手間もかからない便利な時代になったものです。

ネット書店がない時代は、本屋めぐりをしていました。店頭で偶然見かけた本があとでとても役に立ったりすることもあるので、用がなくても書店には顔を出すようにはしてるのですが、若い頃に比べて暇な時間がなくなった今では、ネットでの資料買いについつい頼ってしまいます。

特に古本探索は助かる。絶版本だと、古本屋をマメに探すくらいしかやっていなかったのですが、Amazonのユーズドを使うと、古書でもかなりの確率で見つかります。

但し、人気のある本は随分値段が高くなっています。需要と供給の問題とはいえ「おい、こりゃ随分足下見てるんじゃないか」と言いたくなる値付けの本もあります。『天の光はすべて星』も、そんな一冊です。

フレドリック・ブラウンの中でも異色作といえる長編ですが、若い頃から大好きなタイトルだったので『天元突破グレンラガン』の最終話のタイトルはここから引用しようと決めていたんですね。

放映前はAmazonのユーズドで800円くらいで買えたものが、放映後からあっと言う間に値が上がり7000~8000円くらいになってしまいました。興味を持ってくれるのは嬉しいのですが、「こんな値段になったのは自分のせいだ」と心苦しかったのです。(なぜそう言えるかというと、Amazonだと、その本を検索した人間が他にどんなものを買ったかがわかるリストがあるんですね。そのリストが一時期殆(ほとん)どグレンラガン関係のものだったのです)

その『天の光はすべて星』がハヤカワSF文庫から新装幀で復刊されます。

僕も巻末にエッセイを書いているのですが、なにより適正価格でこの物語が読めるのが嬉しい。古書の高騰もこれでおさまるでしょう。

発売日は9月5日。奇しくも『グレンラガン』の映画公開の前日です。地方だと書店に並ぶのは若干遅くなるかもしれませんが、読みたい方は、高い古書などに手を出さず、是非新刊でお読み下さい。

『天元突破グレンラガン』公式サイト

早川書房から復刊された『天の光はすべて星』