勝俣さんや出川さんが「とんねるずが美空ひばりの家に呼ばれていたって話をラジオとかで聞いて、うらやましくてしょうがなかったけど、僕らは『この人、和田アキ子の家に行くんだ!』って思われているかもしれないな」と言っていたんですが、僕もそうだなと思います。男性でも女性でも豪快な諸先輩方はいたけど、時代の変化とともにああいうスターは減ってしまって、和田アキ子のような人はもう出てこないと思う。我々は和田アキ子という人にかわいがってもらって、芸能人として貴重な経験をしているんだなとみんなで話していたら、勝俣さんが「表で悪口言って、裏で大切にするのが本当の身内だろ」って言い出して。「じゃあ表で悪口はいいのか」って笑い話になっていきましたけど。みなさんが思っているよりも、実は楽しくやっているのは、それを笑って許してくれるからなんですよね。
でも、僕がみなさんに知ってほしいのは「おまかせ!」で「イエーイ」って言っている和田アキ子じゃないんですよ。ちなみに、ダブルピースで「イエイ!イエイ!イエイ!」って言っているときは最高に機嫌が良いときです(笑)。バラエティーを仕切っている和田アキ子も確かにすごいんだけど、一番見てほしいのはシンガー・和田アキ子! 実は、シンガーっていう裏の顔がすごいんですよ。本当はそれが表なんだけどね。
僕も音楽が好きでいろんなライブに行ってきましたけど、ブルーノートでやったアッコさんのライブはカッコ良くて参りました。バカにしていたわけじゃなくて、和田アキ子のコンサートって何となく見ないだろうなと勝手に思い込んでいたんだけど、こんなにすごい歌手が日本にいたのかと……。本気の歌を生で聞くと、涙が出ますよ。みなさん、テレビで見慣れすぎているからアッコさんが実在しないと思っているでしょ? 生で見ると固まりますよ。
しかも場所によって全然違うのよ。ブルーノートみたいな小屋では「リズム・アンド・ブルースの女王」と呼ばれたかっこいい和田アキ子を出してくるし、NHKホールでやったときは歌手和田アキ子として、3千人とか4千人の客を歌一つでまとめるんですよ。氣志團万博みたいな若いアーティストが出る野外フェスでも、ノリの良い曲でオバハンとしてちゃんと盛り上げる。もちろん圧倒的に歌もうまいんだけど、オーラと迫力があって、歌手ってこういうことなんだなと思いますよね。