裸にお盆1つで股間を隠して動き回る芸でブレーク中のピン芸人・アキラ100%に、落語の大御所・桂歌丸が苦言を呈した。カンニング竹山さんは、裸芸は世界に通用する芸だと断言する。
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アキラ100%の芸は立派な芸だと思います。生で見たらわかると思いますけど、素晴らしい技術なんですよ。絶対に見えない(笑)。海外でもああいうパフォーマンスをする人が何人かいるらしいのですが、お客さんを驚かせる、すごい芸です。
芸にも種類があって、歌丸師匠が貫かれている落語という話芸とはタイプが違うということですよね。どちらも芸として素晴らしいと思います。自分がどこに一番重きを置いているかで違うと思うんですよ。
ただ、日本語の話芸一本でされている方から見れば、なんだあんなもんって思われてもしょうがない面はあると思います。いまではお笑いの主流である漫才でさえ、落語の方たちからは「色物」って言われてきたわけですから。もちろんコントもね。アキラの芸はその感覚で言うと、品の無いことになる。
話芸一本でされているのは本当に素晴らしくて、僕も漫才師で始まった芸人として、どこかでそれに憧れているから、いまだに「放送禁止」というひとり語りのライブを続けています。これは自分に課しているものでもある。師匠クラスにはまだまだなれないし、奥深くて難しいものだと思う。でも、今新しく出てきているものを「これは芸じゃねーよ」とは僕らの世代は言えないです。それはメディアの変化を目の当たりにしているから。
昔、ドラマが映画からテレビに移ったとき、映画屋さんたちは「テレビなんか作れるかバカヤロー」って言っていたわけです。時代も変わり、次はテレビが主流になってきた。どんどん進化していくからそれに対応するタレントとか芸人とかいっぱい出てきて「テレビ芸」が生まれた。
また最近はテレビからネットに進化している。ネットで食ってる子、食っていこうとしている子も周りにいますが、コメントをたくさん書き込ませるための技術を持っているんですよ。今こういうこと言うと多くなるとか、ネットはこういうこと言うとダメなんだよとか。やっぱりメディアによって芸は日々進化していくんだなって僕は思ったんですよね。