結婚という名の航海はまさに「山あり谷あり」。大切なのはお互いがひとつの舟に乗っていている乗組員として、同じ行き先を見つめているかです
結婚という名の航海はまさに「山あり谷あり」。大切なのはお互いがひとつの舟に乗っていている乗組員として、同じ行き先を見つめているかです
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 アラフォー既婚者なら、結婚してから10年くらいという人が多いのでは? 行政書士で、『一生幸せなふたりでいるための10のワーク マリッジノート』の著者である湯原玲奈さんは、この10年をどう過ごしてきたかが、今と、これからのふたりの結婚生活の方向性を大きく決めると語ります。

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「恋愛と結婚は別!」という考えを、若い頃は打算的!と批判していたけれど、結婚生活を長く続けていると、まさに別物だと実感します。希望としては恋愛の直線上に結婚があってほしいと思うけれど、恋愛を本物の結婚にするためには、それ相応の努力が必要です。

 恋愛は、相手に期待をするものです。「こうして欲しいな」「きっとこう思ってくれているはず」。相手に自分を愛し尊重してくれることを期待することは、悪いことではありません。でも、期待通りにいかなかった時に、自分が尊重されていないような気がして相手を怒って責めてしまった経験はないでしょうか。恋人関係ならそれでもいいのですが、夫婦関係でこれを続けてしまうと、関係は必ず悪化します。全てがそうというわけではありませんが、多くのお見合い結婚のカップルは、恋愛がスタートではないせいか、最初からあまり期待していないことが多いようです。これは夫婦関係を作る上でとても大きなことだと思います。

 誰しも人に尊重され大事にされたいと思っています。それを勝手に期待しがちなのが“恋愛”。好きな人にこうしてもらいたい、と思う気持ち、理解できます。でも、夫婦に期待はない方がいい。期待をしていると、相手がしてくれたことが「あたりまえ」に感じられてしまうからです。期待をしていなければ、素直に「ありがとう」が言えます。

 改めて、ふたりはどうして結婚したのでしょうか。「好きだから」「一緒にいたいと思ったから」という理由はとてもステキです。でも、その感情は長続きしないものなのかもしれません。夫婦にとって大事なことは感情よりも「家族を作る」というコミットメント。家族になって、辛い時も苦しい時も支え合い、楽しい時は一緒に笑って過ごそう、そう思って結婚したはずです。

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