侍ジャパンで唯一ベストナインに選ばれた千賀滉大投手(写真提供:Getty Images)
侍ジャパンで唯一ベストナインに選ばれた千賀滉大投手(写真提供:Getty Images)
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 現地時間3月22日、アメリカの優勝で幕を閉じた第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)。この大会は野球国の世界一を決めるトーナメントであると同時に、メジャーで活躍できる選手の見本市の側面もある。準決勝まで進出した日本の選手たちも、一部の地元メディアから高く評価された。

 スポーツウェブサイトの『ブリーチャーズレポート』は、22日付で今大会の中でブレイクした10人を紹介。そこには11イニングで16奪三振、7安打、1四球、1失点と見事な成績を残した千賀滉大も含まれた。

「もともとは菅野智之が最も注目されたが、日本の投手陣で最高の成績を残したのは千賀だった。90マイル台中盤の速球と、複数の変化球を持っている。ポスティングを通じてメジャーを目指すなら、彼の姿を再びアメリカで見るのに、2021年に行われる次のWBCを待つ必要はないかもしれない」

 そんな寸評を読めば、この記事を書いたジェイコブ・シェイファー記者が千賀はメジャーでも通用する素材と考えていることが伝わって来る。

 今大会のベストナインにも選ばれた24歳の右腕。その能力に注目したのはもちろん『ブリーチャーズレポート』だけでない。エンタメ系のウェブサイトである『デッドスピン』にも、22日付で「千賀滉大は本物に見える」と題された特集が掲載された。

「千賀は日本唯一の敗戦投手になったが、人々は彼がアメリカ戦での2イニングでエリック・ホズマー、アンドリュー・マッカッチェン、バスター・ポージー、ジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリッチから5三振を奪ったことの方を覚えているはずだ」

「今大会での日本はメジャー組や大谷翔平のような大物が参加しておらず、それゆえに優勝は叶わなかったのかもしれない。ただ、おかげであまり知られていなかった千賀のような選手にスポットライトが当たる結果になった。90マイル台中盤の速球、スライダー、そして三振が奪える幻惑的なフォークボールで、千賀はWBCの期間中は打者たちを打ち取り続けた」

 第4回WBCで最も知名度を上げた日本人プレーヤーが千賀であることは間違いなさそうだ。まだ若く、過去に多くの日本人投手たちが駆使してきたハイレベルのスプリッター(フォーク)を持っていることも魅力。いずれメジャー入りを目指す時が来たら、国際的な評価を上げるきっかけになったWBCでの活躍が改めて振り返られることだろう。

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