「JOY!VR 宇宙の旅人」。タカラトミーが2016年末に発売を予定する
「JOY!VR 宇宙の旅人」。タカラトミーが2016年末に発売を予定する
この記事の写真をすべて見る

 国内最大級のおもちゃの見本市「東京おもちゃショー2016」が6月9日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。会場では、VR(仮想現実)を活用したおもちゃが注目を集めている。

 大手玩具メーカーの「タカラトミー」ブースでは、「JOY!VR 宇宙の旅人」というおもちゃで、宇宙旅行を“体験”できる。

 スキーのゴーグルのようなものをかぶると、目の前にはロケットの発射台から空を見ているような光景が広がる。片手サイズのコントローラーを操作すると、ロケットが発射され、宇宙空間に飛んでいく。リモコンを操作すると、画面に矢印が表れる。リモコンのボタンを押すと、一気に火星にワープできた。火星の様子もリアルに再現されており、極冠を眼下に、衛星「フォボス」と「ダイモス」も大きく見えるなど、火星旅行が体感できた。

 実はこのおもちゃ、スマートフォンアプリで動いている。ゴーグルの先端にスマートフォンが入れられるほか、コントローラーもスマホに接続して動かす。デモでは5.5インチサイズのiPhone 6 Plusが使われていたが、これより小さいサイズのスマートフォンでも利用可能。アプリはiOS、Androidでも対応できるという。

 「JOY!VR 宇宙の旅人」は、2016年末に発売予定で、第一弾は宇宙がテーマだ。ただ、今後は海洋生物や恐竜をテーマにしたコンテンツも充実させる予定。価格は未定だが、1万円前後になる見込みだという。

 このほか、メガハウスの「BotsNew VR(ボッツニューVR)」もVRを使ったおもちゃとして注目されていた。これもスキーのゴーグルのような見た目で、スマートフォンで動く。ただ、操作方法が先ほど紹介した商品とは異なる。両手の中指にマジックテープでバンドを巻き、そのテープについたプラスチックの板を動かして操作する。この商品は8月下旬に発売、価格は税込みで9990円を予定する。4~6インチのサイズのスマートフォンに対応するという。

 なぜ、スマホを使ったVRが急増しているのか。それぞれのメーカーの担当者に聞いてみた。

「これまでは高価で大掛かりなものでしかVRを楽しめませんでした。これをスマートフォンに置き換えることで、お客さまのコストをぐっと下げることができました」(タカラトミー)

「スマートフォンをベースにすることで、アプリの開発がしやすいという利点もあります。こういう商品はソフトありきですから、さらなるサードパーティーの参入をしやすくする狙いがあります」(メガハウス)

 未来型のおもちゃはこんなに進化していた!?(文・河嶌太郎)