もう一つの違いは準備期間だ。もともと日本選手は、海外の選手の高さとパワーへの慣れが足りない。ほとんどの選手が国内リーグでプレーしているため、海外の選手と対戦することは「特別なこと」だ。

 昨年は5月に全日本が本格的に始動して以降、ワールドリーグ、アジア選手権と国際大会を経て、8月はイタリア、ポーランド遠征を行い、海外チームと数多くの実戦を重ねた。そこで、海外勢の高さとパワーのプレッシャーの中でどのように得点を奪えばいいのかという感覚を養った。ワールドカップはそうして十分に準備をして臨んだため、強豪にも善戦することができた。

 しかし今回は、国内のV・プレミアリーグを挟んで、3月後半から合宿をスタートし、5月前半にアメリカ遠征で実戦形式を4試合。大会直前にフランス代表と2試合。それだけで、対世界の感覚を十分に取り戻すことができないまま、重要な五輪最終予選に臨まなければならなかった。その違いは、プレーにも精神面にも影響を及ぼしたと思われる。

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