爆買い中国人の席巻はいまや世界中で起こっているが、各地でさまざまな“軋轢”を生んでいるのは周知の通り。とくに最近、話題になっているのがビュッフェでの「爆食」だろう。2016年3月に報じられた「エビ爆食事件」では、外国人はもちろん、中国国内からも批判の声があがったことは記憶に新しい。タイの海鮮レストランのビュッフェを訪れた中国人観光客が我先に大量のエビを奪い合うようにすくいあげるシーンが動画サイトにアップされ、世界中に報じられたのだ。しかも彼らは大量にエビを食べ残した(その後、動画は3年前に撮影されたものと判明)。
こうした爆食の被害は日本でも起こっている。『産経新聞』によると、2月28日に福岡県内の食べ放題レストランで中国人ツアー客30人が制限時間を守らずに注文を続け、店側が応じなかったことから中国人ツアーガイドが店員に暴行し、逮捕される事件があった。これ以外でも、ホテルの朝食ビュッフェで中国人観光客が食べきれない量の飲食物をとり、残したり、昼食用に容器に詰める例が各地で報告されており、日本の飲食・ホテル業界は彼らのこうした行為に悩まされている。
「中国人ツアー客を受け入れる一部レストランでは、15年頃からビュッフェ形式をやめて注文制にして時間稼ぎをしたり、ついたてで囲って中国人専用スペースを設け、料理・食材の質を下げたり、メニューを絞る作戦に出るところも出てきています。とくに関西ではこうした傾向が広まりつつあるようです。いまパックツアーで日本を訪れる層は内陸部の中間層の中高年でお世辞にもマナーはよくない。壮絶な生存競争を体験している世代なので、ビュッフェのような『取ったもの勝ち』の世界では、ついつい本能的に動いてしまうのでしょう。僕らのような若い中国人からすると彼らの思考回路は狂ってるとしかいいようがない」(都内でツアーガイドをする20代の在日中国人)