「早く結婚しろ」と言われた方が結婚できる？　微妙な大人の親子関係

「早く結婚しろ」

　会社で言われたらセクハラで訴えることもできる言葉だが、親から言われた場合はそうはいかない。曖昧な微笑みで流すか、同情を誘うか、逆ギレをするか。その場の対応は人それぞれだが、親からのプレッシャーで結婚意欲が高まることもあるようだ。親に「早く結婚しろ」と言われたことがある既婚者に話を聞いてみた。

「親がうるさいから帰省しないこともあったけど、やっぱり早く結婚しなきゃという気持ちにさせられた。結婚したら次は『早く子どもを生め』と言われて本当に嫌になったけど、早めに不妊治療に踏み切ることができたのは親のおかげかもしれない」（36歳、女性）

「彼女から結婚したいと言われた時にまだ早いと思ったけど、父親から『お前は絶対にハゲるから早く結婚した方がいい』と言われて、気持ちが固まった」（29歳、男性）

「『あんたは若いうちに結婚しないと貰い手がなくなる』とか、母親にけっこう酷いことを言われた。腹が立ったけど焦りが生まれて、受験勉強を頑張るのと同じように婚活できた」（32歳、女性）

　親の小言を素直に受け止めるのはやはり難しいようで、心は動かされたもののしこりも感じる。では、どれぐらいの人が親から「早く結婚しろ」と言われているのか。婚活支援サービスのパートナーエージェントが25～44歳の未婚の男女2205人に行なったアンケートによると、親から「早く結婚しろ」と言われる人は“都会で1人暮らし”が38.7％、“地方で親と同居”が28.7％ という結果だった。一緒に暮らしている方が小言を言われそうだが、親としては遠方で暮らしている子どもの方が心配になるのかもしれない。

　また、同調査によると「将来、結婚したい」という意欲があるのは“都会で1人暮らし”が57.5％、“地方で親と同居”が41.3％だった。婚活についても“都会で1人暮らし”の方が意欲的で、21.7％が「婚活中である」と回答、“地方で親と同居”の婚活率は15.5％だった。親元から離れたり急かされたりする方が、その気になるものなのだろうか。親から「早く結婚しろ」と言われない未婚男女にも話を聞いてみた。