今年の初詣はどこに行く予定だろうか?
明治神宮などの有名な神社、近所の氏神、そして最近では「ネットで済ます」という人も増えているという。
軽く検索しただけでも、さまざまなネット寺院やネット神社が出てくる。その多くは実在の寺社を持っており、遠方にいるなど参拝できない人のためにネット初詣に対応しているのだとか。
また「彼岸寺」などネット内にだけ存在する寺もあって、住職によるコラム、仏教関連のニュースやこのところ人気の仏教イベント、フェスの紹介など、充実したコンテンツで仏教文化を紹介するサイトもある。
さらに、半年に一度の大きな厄落とし行事である「大祓(おおはらえ)」をスマホで行えるサービスも登場。大祓とは、現代でいえば夏の衣替え、年末の大掃除にあたる行事だ。
古式ではさまざまなスタイルがあるが、人形(ひとがた)、依代(よりしろ)などといわれる、神や木で人間の姿をかたどったものを使うところもある。人形をなでたり息を吹きかけたりして、自分の中にたまった穢(けが)れをうつすのだ。そしてこれを川に流したり燃やしたりして、厄落としとする……。
昔ながらのこうしたおはらい作業を、スマホで行えるのだ。人形が表示された画面をこすり、息を吹きかけ、送信。情報は実在の神社に送られ、プリントアウトしたものをお焚(た)き上げして、穢れは浄化されるという仕組みだ。
なんだか味気ないようにも思えるが、考えてみれば参拝の楽しみのひとつである「占い」「おみくじ」は、すでにネット上でも大人気。巨大コンテンツとして成長している。他にも、故人の情報を登録しておけばいつでもネット墓参りができるネット墓地やペット霊園も多数存在している。さらに最近では、アマゾンジャパンで僧侶の宅配サービス「お坊さん便」がはじまり、法事の読経を注文できるようになったことについて議論が噴出。既存の仏教界からは批判の声が相次いでいるという。