衆院小選挙区の議席すべてを民主が独占する岩手。階(しな)猛(45・1区)、畑浩治(48・2区)、黄川田撤(58・3区)の3氏は、小沢一郎氏(70・4区)が率いるグループに所属してきた。
消費増税法案には小沢氏ら3人が反対票を投じ、黄川田氏も棄権。ところが、階、黄川田両氏は新党に合流しなかった。階氏は苦渋をにじませてこう語る。
「正常な二大政党制に戻すため、小沢さんには党に残ってもらいたいと説得し続けたのだが......」
「結束の儀式」のつもりで6月21日に書いた離党届は、事前確認もなく提出された。階氏は直後に小沢氏のもとを訪ね、残留の意思を伝えた。
「新党についていかなかったことで、どういう結果になろうと甘んじて受ける」
そう腹をくくる一方で、
「民主党を正しい方向に戻すよう頑張る。そうなれば小沢新党との連立政権という方向も見えてくる」
と希望をつなぐ。
対する黄川田氏は、早い段階から小沢氏と距離を置いていたようだ。小沢氏に求められた離党届も「地元と相談してから決めたい」と未提出。小沢氏の離党の際は「大義がない」とコメントした。
東日本大震災で家族4人を亡くした黄川田氏は、
「震災復興が第一。与党にいないと不都合が多い」
と地元関係者に伝えており、党を出る選択肢はなかったようだ。
※週刊朝日 2012年7月20日号