わたしの知り合いの男性。彼は、30代で会社を上場させた。
そんな彼を世間の人たちは、「すごい」「かっこいい」と言う。
でも彼は、こう言う。
「僕は、神戸大学の学生だった頃、阪神・淡路大震災で友人を亡くしました。あの時から、僕にとって人生の中でいちばんのリスクは、『やり残したことを持って死ぬこと』になったんです」
友人で仙台出身のライフプランナーの女性が言った。
「わたしは、人に『人生設計をしなさい』と、ずっと言ってきた。80歳まで生きることを前提として、保険も預金も年金もアドバイスしてきた。でも、東日本大震災で何人もの友人や知人を亡くした時に思った。預金も我慢も大切だけれど、生きているうちにやりたいことをやることも大切だよね」
わたしは、ずっと生きるつもりで学びたいと思っている。でも、明日死ぬかもしれないと思って行動している。
理由は、「また今度」「そのうち」と思って、後悔していることがいっぱいあるから。
「そのうち会いに行きますね」
と、昔お世話になった社長が「久しぶりに会いたい」と電話をくれた時に言った。
ところが、その社長は、それから半年後に亡くなった。