三浦透子(みうら・とうこ)/ 1996年10月、北海道出身。2022年の主な出演作に、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、「エルピス─希望、あるいは災い─」など多数。映画「天気の子」主題歌など歌手としても活躍。(撮影・植田真紗美)
三浦透子(みうら・とうこ)/ 1996年10月、北海道出身。2022年の主な出演作に、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、「エルピス─希望、あるいは災い─」など多数。映画「天気の子」主題歌など歌手としても活躍。(撮影・植田真紗美)
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 アカデミー賞など多くの映画賞に輝いた「ドライブ・マイ・カー」。ヒロイン役で注目を集めた三浦透子さん(26)の躍進が止まらない。単独初主演映画「そばかす」に続き、2023年1月6日には「とべない風船」が公開される彼女に話を聞いた。

【写真】三浦透子さんが出演されている映画の場面カットはこちら(全2枚)

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──三浦の俳優としての魅力の一つは、その人物が本当にいるかのようなリアリティーだ。「とべない風船」では、念願の教師職に就きながらも挫折、進むべき道を見失った凛子を演じる。母を亡くした喪失感も抱える彼女が、疎遠になっていた父の住む瀬戸内海の島を訪れ、妻子を亡くして心を閉ざした漁師の憲二(東出昌大)との出会いによって、少しずつ傷ついた心を再生していく。

(役になるのは)自分一人でできることではありません。特に、この凛子に関しては、無責任な言い方に聞こえるかもしれませんが、(撮影地の)広島に行ってみないとわからないと思っていました。映画は、凛子自身が島に行くという特別な体験を経て成長していく話なので、そこに至るまでの変化の過程を東京だけで育てていくのは無理があると思ったんです。土地の空気をきちんと吸って、役と対峙して育てていく。そもそも自分がその人になる、という感覚はあまりないんですよね。事前の準備としてできることは、私が役の一番の理解者となること。私はあなたのことを一番知っているよ、と思えるところまでたどり着いた上で、その状態で現場に立つようにしています。

──役に自身を投影することは「あまりない」と言う。

 もちろん自分の体や声を使って演技しているので、自分の中にある部分は、当然画面にも表れるだろうとは思っています。自分というのは、隠そうとするものでも出そうとするものでもなくて、出てしまうもの、という感じでしょうか。

──公開中の初の単独主演作「そばかす」では、「アセクシュアル(他者に対して性的欲求・恋愛感情を抱かないセクシュアリティー)」という性的マイノリティーの主人公を演じた。撮影前にアセクシュアルの監修者に話を聞く機会を設けてもらったと言う。

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