「そばかす」チェリストになる夢を諦め実家に戻ってきた佳純は30歳。恋愛したいという気持ちが湧かないにもかかわらず、母親に強制的に見合いをさせられ……。歌手としても高い評価を得ている三浦は主題歌「風になれ」の歌唱も担当。東京・新宿武蔵野館ほか全国公開中 (c)2022「そばかす」製作委員会
「そばかす」チェリストになる夢を諦め実家に戻ってきた佳純は30歳。恋愛したいという気持ちが湧かないにもかかわらず、母親に強制的に見合いをさせられ……。歌手としても高い評価を得ている三浦は主題歌「風になれ」の歌唱も担当。東京・新宿武蔵野館ほか全国公開中 (c)2022「そばかす」製作委員会

 まずは「(アセクシュアルを)知る」ことから始めました。アセクシュアルの方のセクシュアリティーの一番の悩みは、カミングアウトした時に恋愛感情がないという事実を信じてもらえないことだと伺いました。「好きな人、これから現れるんじゃない?」とか「まだ本当に好きな人に出会ってないだけだよ」と言われてしまうと。そう聞いて、やはり知る、知ってもらうことが必要なことであり切実な思いなんだと感じたので、その役割も果たしたいと思いました。

 ただ、この映画で描くのはセクシュアリティーに関することだけではありません。個人的には「自分は社会にとってマイノリティーなのでは?」と感じたことのある全ての人にとって心が軽くなるようなメッセージが詰まっていると思っています。私にもそういう思いがあります。自分が何か人と違う、間違っているんじゃないかとか。でも、当然、人と違うことが悪いことではありません。みんな違うのだから、相手にわかる形に自分を当てはめる必要もないし、相手がわかりやすいように自分を説明する必要もない。あなたはあなたのままでいい。あなたをそのまま理解してくれる人やあなたの価値観を共有してくれる人は、この世界のどこかにちゃんといる。そういうメッセージは、全ての人に自分ごととして見てもらえるのではと思っています。

──現代社会で私らしく生きることはなかなか難しい。だが、三浦は「周りの人の価値基準や評価と距離を置くことで、私らしさは育てていける」と話す。

 みんながいいと言っているものと、自分がいいと思うものが別であることは、決しておかしなことではありません。私は人に嫌われるよりも、自分が好きでいられない自分でいることのほうがストレスです。だから、自分が自分にどうあってほしいかということを考えます。自分自身のことを自分で決めるという積み重ねで、私らしさはできていくものなのではないかと思っています。

──2002年、5歳で果汁入り飲料のCMでデビュー。俳優として着実にキャリアを重ねてきた。

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