先月、世界文化遺産に登録され「日本の富士山」から世界の「Mt Fuji」になった富士山。さっそくこの秀峰を世界に紹介しようという、海外メディアの取材が増えている。アメリカのニュースチャンネルCNN日本支局の取材班も先日、富士山からの中継を行い、インターネットなどを通して世界中に登山道や山小屋の様子などを紹介したが、実はこの取材にはもうひとつの目的があった。それは、同じくアメリカのインターネット企業グーグルのある取り組みを紹介することだ。
その取り組みとは、グーグルが提供するサービスのひとつ「ストリートビュー」の富士山対応。すでに利用している人も多いことと思うが、「ストリートビュー」ではネットを通して、世界各地の道路沿いの風景を楽しむことができる。最近では公園内の小道や街の路地など車が入り込めない場所でも、あたかもそこを歩いているかのように風景を眺めることができ、そのエリアは美術館などの建物内部にまでおよんでる。
通常の道路周辺の風景は、乗用車の屋根につけたカメラで撮影しているが、路地や登山道では車を利用することができないので、人力にたよることになる。今回も約18kgもある「ストリートビュー」取材用の機材「トレッカー」をグーグルのスタッフが背負い、五合目から吉田ルートを山頂まで登った。「トレッカー」には15個のレンズがついており、それで前後左右360度の風景を同時に撮影する。CNNの取材班はその撮影風景を取材しつつ、同時に自らも、富士山の登山風景のネット中継を行ったというわけだ。
すでに日本国内では、屋久島の縄文杉にいたる登山道などが「ストリートビュー」に対応しているが、今後は日本最高峰の登山ルートまでもが、家や職場に居ながらにして楽しめることになる。
なお、この富士山ストリートビューは7月23日(火)に公開。また、その模様を取材したCNNの番組はCNN.com及び7月23日(火)午後9時からの番組「News Stream(ニュース・ストリーム)」で放送予定だ。
【関連リンク】
CNN.comライブレポート動画
http://www.cnn.com/2013/07/10/world/asia/japan-magnay-mount-fuji/index.html