すでに国際語となり、世界を席巻するクール・ジャパン「OTAKU」。そのオタク男子が今、婚活市場で人気を集めているらしい。そこで魅力を探るべく、オタ婚パーティーに行ってみた。
東京・日本橋のレトロなカフェで、テーブルを挟んで談笑する9組の男女。参加者は、平日ということもあってか、男性はほとんどがサラリーマン風のスーツ姿。巨大なリュックにチェックのシャツ、裾は当然ズボンにイン――という、典型的なオタ服の男性は見当たらない。共通点は眼鏡率が高いことくらいか。女性もOL風から森ガールまでさまざま。しかもフツーに可愛い。
男性が「はじめまして」と声をかけ、女性の座るテーブルを回っていく。次の瞬間、マシンガントークが始まる。大きなリアクションに、わき上がる笑い声。どのテーブルもなんだかすごく楽しそう。
しかし、その会話は
「ショタ(少年に萌える女性たち)なんすか? 『忍たま乱太郎』いいっすねー」
「BL(ボーイズラブ)ってなかなか理解ある人少ないですよね。僕、めちゃめちゃ腐女子とか理解できますよ!」
と正真正銘のオタクそのもの。
「職場ではカミングアウトしていない"隠れオタ"も、ここでは嫌われる心配なく自分の趣味を熱く語れる。参加した男性同士、女性同士が友達になることも多いんですよ」
と語るのは、パーティーを運営する「ナゲット」代表の長谷川剛さん(35)。長谷川氏によれば、1回目のパーティーには男性10人の定員に300人が申し込むほどの人気で、女性も毎回定員を超える応募があるという。
開始から2時間、この日は9組中5組のカップルが成立した。まあ、同じ趣味を持つもの同士が惹かれ合うのはよくわかる。
※週刊朝日 2012年6月15日号