メイン画像
メイン画像
この記事の写真をすべて見る

3月の天候まとめと4月~6月の見通しです。今年の桜前線は3月14日に東京からスタート。東京としては、統計開始以来、最も早い開花に。東京では桜の開花日に雪が降り、満開を迎えた後の29日には1センチの積雪となりました。

桜に雪 桜前線も異常あり

今年の桜前線は3月14日に東京からスタートしました。記録的な暖冬や春先の暖かさの影響で、東京としては、統計開始以来、最も早い開花となりました。ただ、この日の東京は冷たい雨が次第に雪に変わり、開花したばかりの桜に雪という春と冬の景色が同居しました。

さらに、関東では桜が満開の時期にも雪が降りました。29日は南岸低気圧の影響で、平野部も含めて広く雪が降りました。東京都心で1センチの積雪を観測。東京都心で3月下旬以降に1センチ以上雪が積もるのは、32年ぶりのことでした。

また、桜の開花前線の進みも例年と違っています。28日には福島と仙台で桜が開花しましたが、31日現在、鹿児島ではまだ桜は開花していません。福島や仙台の桜が鹿児島よりも先に開花したのは、1953年の統計開始以来初めてです。これはこの冬の記録的な暖冬が影響していると考えられます。サクラの花芽は冬になって一定期間、寒さにさらされると目を覚まし(休眠打破)、春の暖かさで花が開きます。暖冬の影響をより受けた鹿児島は休眠打破が遅れた一方、暖冬とはいえ寒い東北は花芽が目覚め、春も気温が高かったため記録的な早さで開花したとみられます。

強風、暴風も

春は風の強い季節でもあります。今年も度々、低気圧が発達しながら日本付近を進み、荒れた天気となりました。16日は東京都心で24.3メートルの最大瞬間風速を観測するなど、関東で風が強まり、電車の遅延などもありました。20日は青森県八戸市で観測史上1位となる最大瞬間風速43.4メートルを観測。東北や北海道を中心に暴風が吹き荒れました。

なお、今シーズンは2月中に九州北部や四国、東海、北陸、関東で春一番が吹き、3月19日は中国地方でも吹きましたが、九州南部・奄美や近畿では吹かず、今年は発表なしとなりました。近畿では2年連続で発表がありませんでした。(春一番は地方ごとに条件が多少違いますが、立春から春分までの間に初めて吹く強い南風です。)

寒暖差大

画像C
画像C

上の図は3月1日から30日までの平均気温の平年差です。全国的に平年より高く、特に北海道から関東、北陸を中心に平年より2度以上高くなっています。全般に気温の高い日が多くなりましたが、時には寒気が流れ込み、寒の戻りとなった日もありました。東京都心では28日は24.6度と夏日一歩手前まで気温が上がりましたが、雪の降った29日の日中は0度台まで気温が下がり、気温の変化がかなり大きくなりました。

初夏の天候と梅雨入りは?

画像D
画像D

4月も天気は数日の周期で変わるものの、北海道や東北の太平洋側、関東から九州を中心に晴れる日が多いでしょう。気温は北海道から東海で平年並みか高く、近畿から九州、沖縄は平年並みの予想です。日によって寒暖差はあるものの、春本番の暖かさの日が多くなりそうです。

5月になると沖縄や奄美は湿った空気や梅雨前線の影響で、曇りや雨の日が多くなるでしょう。九州から北海道の天気は数日の周期で変わりますが、九州から近畿、北陸を中心に晴れる日が多くなりそうです。気温は九州から北海道は平年並みでしょう。初夏らしく、清々しい陽気の日が多くなりそうです。

6月上旬は続々と本州付近でも梅雨入りとなる時期です。今年は太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、梅雨前線の北上は平年よりやや遅くなる予想です。沖縄や奄美では梅雨前線の影響が長引き、梅雨明けが遅れる可能性があります。一方、九州から関東甲信では梅雨入りが平年よりやや遅くなる可能性もありますが、次第に梅雨空の日が多くなるでしょう。北陸や東北も6月後半にはぐずついた天気になりそうです。気温は九州から関東で平年並みか高くなるでしょう。蒸し暑い日が多くなりそうです。