日本で買える投資信託の数は6000本以上もある。初心者は、どれに投資していいかわからず迷うはず。しかし、どんな投資信託にも運用方針があり、「このジャンルの金融商品に投資する」といった投資対象が決められている。アエラ増刊『AERAMoney 今さら聞けない貯金の基本』(朝日新聞出版)では、複雑な投資信託の分類についてビギナー向けに整理している。
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「投資信託――中でもインデックスファンドの投資先は大ざっぱに言うと7種類です」
と説明してくれたのは、auカブコム証券のチーフストラテジスト・河合達憲さん。
「日本国内か海外か、株か債券か。海外の投資先を先進国と、中国をはじめとする新興国に分けると6種類です。その6種類全部+REITに投資する『バランス型』を入れると7種類になります」(河合さん/以下同)
え、たったの7種類? なんとわかりやすい……。初心者もこれなら理解できる。
ところで、投資先としての日本は身近で親近感があるが、日本株が投資対象のインデックスファンドを一番に勧める専門家は少ない。
「投資対象が国内なので為替リスクがなく、ここ数年は悪くない数字ですが、せっかく投資信託を買うなら世界に目を向けてほしいですね。日本株ならまだしも、国内債券は日銀のゼロ金利政策の影響で収益が望めず、魅力が薄いジャンルです」
欧米諸国や豪州などの先進国はどうなのだろう。
「世界最強の覇権国家といわれる米国は、一人勝ちと言えるほどの好景気が続いてきました。短期的に見れば予断を許さない状況ではありますが、この状態が10年、20年も続く可能性は低いでしょうから、安心してください。投資信託の基準価額が最初の1万円から大きく低下した場面、と思って積み立てを始めましょう」