5月1日で天皇陛下の即位から1年経つが、雅子さまのご体調や皇位継承問題はどうなっているのか。ジャーナリスト・友納尚子氏が報告する。
即位から約1年──。
皇后としての務めを果たされる雅子さまのご快復は順調だった。皇居・宮殿「松の間」で開かれた歌会始に17年ぶりにお出ましになり、3月の宮中祭祀「春季皇霊祭」にご出席されたのも18年ぶりのことだった。
ご出席の回数だけではない。雅子さまの外国からの賓客へのもてなし方も注目された。昨年5月に令和初の国賓として来日した米国のトランプ大統領夫妻を始め、ヨーロッパの王妃たちと流暢な英語で言葉を交わされながら、気さくな雰囲気を作られた。それは、まさに海外王室との旧交を温める“雅子さまスタイル”でもあった。
こうした場面で見られる雅子さまの溢れんばかりの笑顔を見ていると、療養生活が17年目になっていることを忘れそうになる。
「皇后になられた途端にお元気になった」と思う人も多いと思うが、実は「ご負担の多い宮中祭祀などを続けて出られるまでは、ご快復に至っておられない」(宮内庁関係者)という。
実際、4月3日の宮中祭祀「神武天皇祭」も意欲がおありだったことから、3月の宮中祭祀に続いてご出席を予定されていたというが、残念ながらご体調がかなわずご欠席となった。
昨年末に医師団が発表した「依然としてご快復の途上にあり、ご体調には波がおありです」という見解のとおり、雅子さまのご病気は、皇室の中でご病気になられて、皇室の中で治していかなくてはならないという難しさが長期療養につながっているとされる。
「ご出席は、皇后さまの努力によるものです。時間に余裕のあるスケジュールは、疲れを残さないように工夫なさるなど、体調を整えやすいそうですが、大きい行事が続いたときにはうまく整わない場合もおありになる。今は新型コロナウイルスで公務は控えられていることから、ゆっくりと休めて体調には良いのではないかという見方もありますが、そのようなことはありません。公務をずっと休まれるというのも抑うつ的なご気分になるといいます。皇后さまは意欲をお持ちなので、体調を整えて公務をされてまた休むという繰り返しをなさることが、理想のご快復につながっていくそうです」(宮内庁医師関係者)