
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
お堅い刑事と殺人の容疑がかかる謎めいた美女。二人の間に生まれる甘美な恋の思い。その思いを保つためのようにまた殺人が起こり、さらに燃え上がる恋。したたるような恋のときめきと衝撃のラストのとりあわせが凄い。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
絡み合う眼差し、韓国語と中国語のもどかしい会話、リップクリームなど、直接的な接触を最小限にとどめ、見事に抑制された演出が、妖しいエロスを醸し出す。どこを切っても揺るぎない美学に貫かれたパク・チャヌクの世界。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
映像の切り取り方と魅せ方が面白かったから脳裏に焼き付きますし、推理のところの描き方も演劇っぽくて刺激的。事件とは別のところでも心臓の鼓動が速くなりました。どっちの行方も気になるので集中力増。でも切ない。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
観終わって時間が経つと頭の中でストーリーが新たに構築されていく稀有な体験が味わえる作品。監督の技巧が目立っているから、後から映画の表層下に潜んでいた感情が段々と湧き上がってくる。ストーリー構築力が傑出。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2023年2月17日号
※週刊朝日 2023年2月17日号