個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。
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いやはや。どうしたらいいのだろうか。いや、勿論どうにもできないことは分かっているし、受け入れなければいけないことも分かっている。ただ、できうるなら、この事実を変えたい。何か魔法使いのような人に頼ってでも、この事実を変えたい。あるいは、誰かが住民運動でも起こして、この忌まわしい事実にストップを掛けて欲しい。この憂慮すべき事態は、もはや国民が一致団結して食い止めなければならないのではないか。
51歳になったの僕。精神年齢8歳のまま、51歳になっちゃったの僕。3日に1回はズボンにオシッコを引っ掛ける僕ちんが、5月7日で、とうとう51歳になっちゃったの。どうしよう。なんかさ、こう、偉い人がさ、「佐藤二朗年齢引き下げ法案」みたいなの、国会で成立させてくんないかな。なんか、12歳とかに引き下げてくれたらさ、精神年齢8歳の僕でも、なんとかバランスが取れると思うんだよね。
あの~。冗談ですからね。怒らないでね。「この大変な時期に、国会で『佐藤二朗年齢引き下げ法案』なんて、ふざけた法案を議論する時間があると思ってるのか!馬鹿!」とかって怒らないでね。全部冗談だから。まあ、冗談じゃなく本気で佐藤二朗年齢引き下げ法案を可決して欲しいと思ってたら、怒られる以前に別の心配をされそうだが。
そんな訳で、現在8歳(つまり僕とタメ)の息子と、熾烈なデッドヒートを演じながら、息子になんとか必死に食らいついて、少しずつでも精神年齢を上げていこうと目論んでいる僕だが、去年の1月、この「AERA dot.」に「放屁しない、老眼鏡を買う…僕が50歳までに変えたい20のこと」というタイトルでコラムを書いていた。
久々に読み返してみたら、そこには50歳になるにあたり、変えようと思っている事柄が列挙されていた。そのほとんどが50歳とか年齢は関係なく、大人として何とかしろよというものばかりだが、51歳になった今、それら、「変えたいところ」が、どれだけ「変われているか」を、1つずつ、自己添削していきたいと思う。